ミツウロコクリエイティブソリューションズ(ミツウロコCS)とNECは、「LPガスメーター指針値提供サービス」を利用した大規模実証を名古屋市周辺で行うと発表した。
「LPガスメーター指針値提供サービス」は、ミツウロコCSの協力を得てNECが開発し、全国のLPガス事業者・配送事業者向けに今夏から提供するもので、LPガスメーターに「LPWA対応IoT無線化ユニット」を設置し、通信網に京セラコミュニケーションシステムが提供するIoT向けのネットワーク「Sigfox」を主に利用することで、LPガスメーターの指針データを遠隔で行うサービス。
今回の実証では、LPガスメーターに設置したNECの「無線化ユニット」によりLPガスの指針データを自動取得。取得したデータはKCCSの「Sigfox」を介してクラウド「NEC the WISE IoT Platform」上に収集・蓄積する。
ミツウロコCSは、日次で把握・管理可能となったLPガス残量から、消費者宅へLPガス容器を配送する上で最適な配送計画を構築。その際、LPガス容器の交換は、各消費者宅に設置してあるLPガス容器内のガス残量が供給側と予備側の両側とも減った段階で全量交換を実施する(従来は片側ずつ交互に交換)。これにより、配送回数を最大50%近くまで削減し、配送業務の大幅な効率化が期待されるという。
名古屋での実証は約12カ月間実施し、数千世帯を対象に行うもので、指針値取得の自動化、及び、LPガス容器の配送業務効率化と物流コスト削減の具体的な効果を測定する。また、双方向通信可能な他のLPWA網を一部で利用し、保安面の強化も併せて効果測定を行うという。
今回の実証においてミツウロコCSは、実施主体として、指針値の日次取得に対応した配送システムの構築、無線化ユニットの設置工事から現場運用支援、指針情報の収集・処理、保安情報の収集・処理までを一元的に行い、配送業務効率化と物流コスト削減の効果測定を実施。
一方NECは、本サービスを提供すると同時に、同実証で取得したデータを収集・蓄積し、NECのAI技術群「NEC the WISE」を活用して、ミツウロコCSの協力を得ながら、LPガスの需要予測や最も効率的な配送ルートの分析・策定につなげる。