Dell Technologiesは、米国ラスベガスで4月30日~5月2日、プライべートイベント「Dell Technologies World 2018」を開催した。このイベントでは、IoTやAI、データ活用に関する言及が多かったのが特徴だ。そこで、イベントで見えてきたDell TechnologiesのIoT戦略をまとめてみた。
デルのIoTは、センサーからデータを収集するエッジ、集めたデータを分析するコア、分析したデータの一部を収集し、さらなる分析を行うクラウドの3階層モデルとなっている。現在は、どちらかというと、データをデータセンターに集めるという集中化が主流だが、デルでは、データの分析はセンサーに近い、エッジ側で行うべきという主張だ。
VMware Executive Vice President and CTOで、Dell Technologies IoT DivisonのGeneral MmnagerでもあるRay O’Farrell氏は、基調講演の中で次のように語っている。
「もともとは(C/Sによる)分散システムだったが、それがデータセンターへの集中化が起こり、また、分散化に向かっている。今は、モノのデータを使っている。物理の世界がデジタルと合わさるということだ。これをAIを使って新しい知見を得て、それを基にアクションを起こし、結果を出す。物理の世界はデータセンターの中やクラウドの中に収めることはできない。それはデータが発生しているところで行わなければならない。エッジで大量のデータが発生するので、エッジで分析する。例えば、工場のロボットの前に人が現れたとすれば、すぐに止めなければならない。データセンターでの分析を待っているというわけにはいかない」
また、同氏はそのためには、新たなエコシステムが必要だと主張する。
「いま、IoTの世界はサイロ化されている。しかし、それぞれのシステムをまとめたところの知見が重要だ。そのためには、大きなエコシステムが必要だ」(Ray O’Farrell氏)
しかし、どちらかといえば、デルがIoTに関して、積極的に取り組んでいるという印象はない。実際、デルはIoTに関して、何を行い、どこを目指しているのか、Dell EMC APJ OEM & IoT Solutions Group business&Technology Marketing リーダー Arun krishnaswamy氏とDell EMC APJ Senior Regional Sales Director Mauro F氏に聞いた。