ジャガー・ランドローバーは、英国における自動運転車両の導入促進のために発足したコンソーシアム「AutopleX」に参加し、470万ポンド(約7.03億円)を投じて、曲がり角の先の状況や障害物の向こう側など、死角を「感知」する自動運転車両の開発プロジェクトをリードしていると発表した。

「AutopleX」は、英国における自動運転車両の導入促進のために2018年3月に発足したコンソーシアム。同コンソーシアムでは、最先端の技術、自動車関連企業、先進的な自治体や教育機関などが集まり、ミッドランズやコベントリー・シティセンターにおける大規模なコネクテッド自動運転技術の試験を行う予定となっている。同コンソーシアムは、政府および産業の共同出資で発足したもので、参画企業の選定は、英国のイノベーション推進機関である「Innovate UK」が行っている。なお、「Innovate UK」には、ジャガー・ランドローバーのほかに、Highways England、INRIX、リカルド、シーメンス、ウェストミッドランズ交通局、およびウォーリック大学のウォーリック・マニュファクチュアリング・グループ(WMG)が参加している。

「AutopleX」が行う自動運転車両の開発プロジェクトでは、コネクテッド技術、自動運転技術、そしてリアルタイム・マッピング技術を融合し、自動運転車両に対してより早い段階で情報伝達をするために研究・開発を行っている。この研究・開発により、曲がり角の先の状況や障害物の向こう側などを「感知する」技術を開発し、自動運転車両のさらなる性能向上を目指す。この構想が実現すれば、自動運転車両がすべての道路利用者や死角にある障害物と相互通信して状況を事前に把握し、自動運転による安全な車線変更や複雑な環状交差点の走行が可能になるという。

現在、ジャガー・ランドローバーは、完全自動運転車両と部分的な自動運転車両の開発に取り組んでおり、今後は、自らの運転で楽しむか、運転は車両に任せて安全に移動するか、という選択肢を提案していく。同社は、オンロードやオフロードなどの路面状況だけでなく天候条件など、現実社会で遭遇するあらゆる運転環境に対応できる自動運転車両を提供することをビジョンに掲げている。