Dell Technologiesは、米国ラスベガスで4月30日~5月2日、プライべートイベント「Dell Technologies World 2018」を開催。イベントには、世界129カ国から、14,000人が参加した。

  • 「Dell Technologies World 2018」初日の基調講演会場

このイベントは昨年まで、Dell EMC Worldという名称で開催していたが、今回、「Dell Technologies World」にイベント名を変更した。その理由を、DELL Senior Vice President、Global Communications Stella Low氏は、「多くのポートフォリオがあり、それをお客様に受け入れてもらうため」と説明。

同氏は今回のテーマである「Make It Real」については、「多くの顧客はテクノロジーの進歩に取り残されたくないと思っており、技術に追い付くことに苦労している。われわれは、この課題を解決し、デジタルトランスフォーメーションを現実のものにしていきたいと思っている」と語った。

データからすべてが始まる

初日の基調講演には、Dell Technologies CEO Michael Dell(マイケル・デル)氏が登壇。

同氏は「人々は、最近ではデジタルトランスフォーメーションを意識するようになっている。デジタルトランスフォーメーションは成長を促し、新しいビジネスモデルを作り、顧客との関係を向上させ新たなサービスを生み出している。現在はTOPにテクノロジーがあり、テクノロジー戦略そのものがビジネス戦略になっている」と、テクノロジーが経営者の最重要項目になっている現状を訴えた。

  • 基調講演で講演するDell Technologies CEO Michael Dell(マイケル・デル)氏

今回、同氏が講演の中で重視したのが「データ」だ。

同氏はデータをロケットに例え、「今後、人々はソフトウェア、データ、AI、IoTを使って記録的な規模とスピートで変革をしていかなければならにない。データからすべてが始まる。2020年には、1日あたり200PBものデータが生まれる。その多くが工場、乗り物など、IoTなどのデバイスから生まれ、変化のスピートはさらに加速するだろう。データはアプリよりも価値が高まるかもしれない」と語った。

データがロケットだとすれば、同氏がその燃料だとしたのがAIだ。

「今後、生き残っていきたいと思うのであれば、自分たちのAIの使い方を模索する必要がある。AIとデータを同時に使わなければ、仕事を続けることができないだろう。進んだ会社は特定の領域でAIを使っている。私は、汎用的なAIが出てくるとは思わない。やはり、特定のアプリごとのAIが出てきて、それこそが成長の領域だ」(マイケル・デル氏)

今後、企業に必要な4つの変革

同氏は、今後企業は4つの変革が必要で、それに向けDell Technologiesが支援していくと訴えた。

4つの変革とは、同社がこれまで推進してきた「デジタル変革」、「IT変革」、「ワークフォース変革」、「セキュリティ変革」だ。

  • 4つの変革

4つの改革については、同日の午後のプレスセッションの中で、DellのCMO(Chief Marketing Officer)であるAllison Dew(アリソン・デュー)氏が具体的に説明した。

  • Dell CMO(Chief Marketing Officer) Allison Dew(アリソン・デュー)氏

「デジタル変革」は、アプリからのデータをAIを使って分析し、その知見をアジャイル開発によってマイクロサービス化されたCloud-Nativeアプリに反映、そしてそれを速やかにリリースする、このサイクルを回していくことが重要だとした。

  • 3つのステップを繰り返すことでビジネスを変革

また、IoTの広がりによって、データセンターのあり方も変わり、これまでの一元的なデータセンターではなく、エッジ側がどんどん広がり、コアが分散する、分散コンピューティングになると主張した。

  • IoT時代の分散コンピューティング

「IT変革」では、モダンデータセンターを構築し、それを自動化し、ITオペレーションを改善してく3つのステップが改善が必要だと、これまでの主張を繰り返した。

同氏は、モダンデータセンターの構築にはフラッシュストレージ、データ増大にともなう速やかな拡張性、Software-Definedでプログラマブルであること、クラウドパブリック対応、信頼性の5つがバックボーンとして絶対必要になるとし、モダンデータセンターの構築には、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)がもっとも近道だとした。

「ワークフォース変革」は、いつでも、どこでも、場所を選ばず仕事ができる環境を整えることが重要だとして、そのための端末として、4月に発表した新たな法人向けPCであるLatitudeや25周年を迎えたOptiPlex、モバイルワークステーション Precisionを紹介。また、エンドポイント管理として、VMware Workspace ONEやVMware AirWatchが活用できるとした。

  • 展示会場の15インチ2-in-1モバイルワークステーション「Dell Precision 5530 2-in-1」。360度ヒンジにより、タッチ操作やタッチペンのサポートなど、複数の操作モードに対応する

  • 展示会場の15インチモバイルワークステーション「Dell Precision 5530」。タッチ操作のサポート、新しいIGZO 4ディスプレイオプション、NVIDIA Quadro P2000のプロフェッショナルグラフィックスをサポートする

  • 30%小型化され、最長19時間のバッテリー寿命をもつLatitude 5491

そして、「セキュリティ変革」に対しては、Dell Technologieは、クライアント、ネットワーク、サーバ、ストレージのすべてのインフラに対して、セキュリティ機能を組み込んでいくほか、SOC(Security Operation Center)の構築については、RSAやSecureWorksが活用できるとした。

  • 「セキュリティ変革」に対してすべてのインフラに対して、セキュリティ機能を組み込んでいくとした