KDDIは4月26日、5G時代における新たなコミュニケーションシーンの創出に向けて、米ODG(Osterhout Design Group)と日本国内におけるxR技術を利用したスマートグラスの企画・開発を共同で推進する戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
KDDIは、5Gの普及を見据え、xR技術による時間と空間を超える体験の創出に向けて、2018年6月以降に日本国内で多様なパートナー企業とともに、スマートグラスを利用する実証実験に取り組む。
今回、締結した包括的パートナーシップにおいて、ODGが開発した「R-9」をベースに、KDDIが国内利用に向けた対応をサポートする。また、日本人が着用しやすいデザインにカスタマイズし、日本国内向けのスマートグラスとしての可能性について、実証実験を通じて追求していくという。
実証実験で使用するR-9は、米クアルコム製のチップセットである「Snapdragon 835」を搭載し、単体での位置トラッキング(利用者の動きに追随)にも対応したAR・VRアプリケーションの利用を可能としている。
さらに、50度の視野角に加え、ハリウッド映画などの映像再生クオリティを認証する「THXディスプレイ規格」を取得した表示性能で、高画質ビデオの視聴も可能できるという。
今後、両社は現在搭載しているWi-Fi通信機能のほか、スマートグラスでセルラー通信を可能とするモデム機能の搭載に向けて、クアルコムと検討を進めていく予定だ。
実証実験については、KDDIがスマートグラス向けの映像サービスの提供を目指し、2018年夏に期間限定で日本航空(JAL)と連携し、空港ラウンジにおいてスマートグラスを利用した映像視聴に関する実験を行う。
同実験では、羽田空港国際線ターミナルのJAL国際線サクララウンジ・スカイビューにおいて、希望する利用客にスマートグラスを貸し出す。利用客は、スマートグラス越しの目の前に広がる大きなスクリーンで複数種類の映像を楽しめるという。
KDDIは同実験を通じて、ラウンジでの新たな過ごし方の提案を行い、今後は映像をはじめとしたエンターテインメントの新たなユースケースの可能性を検討し、より多くの利用客に付加価値を体験してもらう機会の提供を目指していく考えだ。
同実験における両社の役割は、KDDIはスマートグラスデバイス、スマートグラス向け映像視聴アプリおよびコンテンツの提供を担当。JALは、スマートグラス向け映像視聴サービスの企画及びオペレーションを担当する。