米Qlik Technologiesは4月24日(現地時間)、米国で開催中の同社の年次イベント「Qonnections」において、開発者コミュニティに対する取り組みを拡大する新たな開発者向けプラットフォーム「Qlik Core」を発表した。
新プラットフォームは現在βテスト中であり、「Qlik Associative Engine」を利用したデータ主導型のアプリケーションを作成するためのプラットフォーム。
同プラットフォームは、埋め込み型のカスタム・アナリティクスを使い、開発者に新しいビジネスモデルを推進する能力を提供し、BI(ビジネスインテリジェンス)をエンドユーザー主導型だけではなく、多様なデータにおいて利用できるように広げるという。
また、オープンソースの配布モデルを採用しており、Qlik Associative EngineおよびAPI、ライブラリを提供でき、ダッシュボード上にないプロジェクトにも統合を可能としている。同プラットフォームには、halyard.js、mira.js、enigma.js、enigma-go、picasso.js、after-works.jsなど同社のオープンソース・ライブラリ・コンポーネントを含むことを予定している。
従来型のBI企業の製品とは異なり、Linuxのスケーラビリティ、Qlik Associative Engineのコンテナ化アプローチのメリット、「Qlik Branch」による開発者エコシステムへのサポートにより、製品化までの時間を短縮できるという。さらに、同プラットフォームは独自のアプローチにより、開発者の効率的なアナリティクス・プロジェクトを実現するとしている。
例えば、IoT環境にQlik Associative Engineを埋め込むことができ、その連想機能をフルに利用して、データ収集のスケーリングとデータ・リポジトリとしての利用を容易に行えるという。さらに、同エンジンはアナリティクス・ワークフローの中での使用も可能とし、プロセスフローの多様なポイントでさまざまなデータを取り込み、瞬時の分析・判断ができるという。
結果として、エンタープライズ・バックボーン全体にわたるコア・プロセスの動作および操作の向上につながるとしている。同社と開発者の関係に関連して、同プラットフォームは同社の開発者向けソリューションを拡張し、「Advanced Analytics Toolbox」などのツールキットをベースにしている。
同ツールキットは、開発者にQlik Senseの拡張機能を提供しており、複雑なスクリプトを使わずドラッグ&ドロップでアナリティクスを実行するチャートの作成が可能。これらの拡張機能はR言語とPythonにより、Advanced Analytics Integration(AAI)機能に重なる形で動作し、シームレスなワークフローを可能としている。
これらのツールキットや製品に加えて、同社が常に開発者コミュニティに目を向け取り組んでいる成果として、Qlik Branchを挙げている。Qlik Branchは、世界中の開発者がオープンソース・プロジェクトについて情報共有と協力を行い、イノベーションをスタートさせるフォーラム。メンバーは、2017年の1年間で2倍に増え2万5000人に達する。
メンバーは、Qlikの連想エンジンとAPIについての情報や、実際に試用可能な無料のプログラミング環境で「Qlik Playground」に参加できる。加えて、自ら作ったGitHubデータを含むパブリックなデータセットにアクセスすることで、データ主導型アプリケーションの作成やクエリー不要のデータ検索のみならず、1行のコードでのチャートの作成ができるという。