富士通セミコンダクター(FSL)は4月24日、-55℃の低温環境下での動作を保証した64KビットFRAM「MB85RS64TU」を開発したことを発表した。
FRAMは次世代メモリとして期待される不揮発性メモリの1種。高速書込み、高書換え耐性、低消費電力といった特徴を有するほか、同製品はカスタマからの「極寒地域の屋外で使用する機械向けに、低温で動作するメモリを開発して欲しい」というニーズに応える形で開発が行われたものとなっている。
その仕様は、動作電圧範囲が1.8V~3.6Vのワイドレンジで、最大10MHzで動作可能なSPIインタフェース、動作温度範囲は-55℃~+85℃となっている。また、パッケージは、EEPROMと置き換え可能な8ピンSOPのほか、リード無しの小型パッケージ8ピンSON(Small Outline Non-lead package)も用意されており、実装基板の小型化などを図ることが可能になったという。
なお、同社では極寒地域での天然ガスやオイルの発掘に使われるフィールド装置などの産業機械向けとして最適としているほか、一般的な計測機器、流量計、ロボットなどの産業分野にも利用可能ともしており、そうした産業機器分野を中心に、量産品の提供を図っていく計画としている。