凸版印刷は4月25日、ベトナムのIT企業FPTと共同でセンサーなど産業向けIoTを活用して事務などのBPO業務を「見える化」し、高効率かつ高品位な運用を実現する「トッパン事務業務効率化シミュレーションサービス」を開発したと発表した。2018年9月より同サービスを用いたBPOソリューションを提供開始する。

同サービスは、従来工場を中心に導入されていた、膨大なデータから過去の現場環境をコンピュータ上に再現し、シミュレーションを行う技術「デジタルツイン」を事務業務向けに活用すべく、産業機器向けのIoTプラットフォームなどを元に、その仕組みを発展させて開発された。FPTと共同で開発した運用システムにより、センサーなどを通じてヒト・モノ・設備などの情報を収集し、クラウド上のデータベースに登録して分析することで、事務業務の効率化を図る。

  • サービスのイメージ

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具体的には、作業実績や品質などのデータはもちろん、オペレータの生体情報や室内環境についてもデータを収集し、情報の登録・分析・見える化を実施。きめ細かい業務分析により共通動作部分へのRPA導入やロスが多い作業でのGUI改善、労働環境の再構築など、業務効率化に向けた改善提案が可能だという。

導入の効果として、「見える化」による業務効率の向上、業務品質の高水準安定化、テレワークの推進などが可能になるとしている。

なお、サービスの提供に先立ち、2018年5月から9月の5カ月間、凸版印刷のBPO事業の統合拠点「BPOスクエア朝霞」で実証実験を実施。BPO運用状況の「見える化」とそれを基にした稼働効率の向上を検証する。