デイトリウムジャパンは4月24日、Cloud DVXやOracle RACサポートなどの新機能を搭載したHCIソフトウェアの最新版「DVX 4.0」を発表した。DVX 4.0の価格は、ノードライセンスで180万円。
新機能として搭載された「Cloud DVX」は、オンプレミスで動作させていたVM用のバックアップおよび復旧サービスを、Amazon EC2の仮想サーバで動作させるもの。
オンプレミスデータをAWSにバックアップする場合、Amazon S3を利用したフルバックアップとなるケースが多いが、Cloud DVXは、オンプレミスのDVXソフトウェアと比較的容量の少ないフィンガープリント(FP)で通信を行い、未バックアップデータだけを送受信することができるため、差分バックアップが可能になる。そのため、バックアップの容量と時間を節約できるという。
Cloud DVXの価格は、5TBあたり1年間の利用料が90万円。
なお、同社は今回「Cloud DVX無償トライアル プログラム」を開始。このプログラムは2018年9月末までに購入された「Datrium DVX」に対して提供され、AWSの1テラバイトに遠隔地バックアップ データを保存する権利を1年間無償で利用できる。
また4.0では、SSD障害時の可用性向上が図られ、他のサーバ内に搭載されているSSDにアクセスできることを可能にした。これにより、あるサーバ上のすべてのSSDが利用できなくなった場合であっても、 別のサーバに搭載されているSSDを暫定的に使用することで仮想マシンを継続稼働し続けることができるようにしている。なお同社のDatrium DVXでは、コンピュータノード内のSSDをディスクキャッシュとして利用することで、高速化を図っている。
4.0では、この機能を応用することで、最大4ノードのvSphereクラスターにおけるOracle RAC(Oracle Real Application Clusters) をサポートする。
Oracle RACはCPUのコア数に対してライセンスされるが、Oracle RACは最小構成が2ノードでの構成が可能のため、 一般的なHCIよりも少ない構成での利用可能だという。また、Oracle RACは4ノード構成であれば、3ノードに障害が発生しても稼働させることができるという。
デイトリウムジャパン 技術担当副社長 首藤憲治氏は、「Oracle RACはオラクルユーザーの70%が利用している。デイトリウムはレスポンスがよく。オラクルとの相性がいい」とアピールした。
そのほか、今回データプロテクション用APIを新たに提供するほか(APIは順次拡張の予定)、Blanket Encryptionという、FIPS 140-2に準拠した2段階のパス認証に対応した。
説明会には米国デイトリウム CTO&Co-Founderであるサザーラ レッディ(Sazzala Reddy)氏も登壇。同氏は、一般的なプライマリーサイトとセカンダリーサイトの構成図を示しながら、「これまでのプライマリーサイトとセカンダリーサイトには、複数のベンダーの混在し、管理コンソールも使い分けなければならず、複雑性があった。これを1つにできないかというのがデイトリウムの始まりだ。SDSですべて開発しようしとしており、それが高速化につながっている。また、すべての機能が常にONで利用できる」と、Datrium DVXの特徴を説明した。
また、デイトリウムジャパン 代表執行役員社長 河野通明氏は、現状のビジネスの状況について触れ、「日本法人設立から3カ月が経過しが、期待以上の推移をたどっている。Tier1のHCI、スケールアウトバックアップ、クラウド DRというコンセプトどおりの製品に成長しており、お客様の数も順調に伸びている」と、好調さをアピールした。