帝人フロンティアとスポーツセンシングは4月24日、スポーツおよびヘルスケア分野におけるウェアラブル製品の開発を目指し、合弁により「帝人フロンティアセンシング」を設立することを発表した。

スポーツセンシングは、スポーツ分野に特化した身体運動計測を主とするデバイスを中心に無線通信技術とセンシング技術に強みを持ち、大学など各種団体のスポーツ選手向けにセンシング製品を展開する中、今後の成長を見据えてウェアラブル市場への事業拡大を目指している。

一方、衣料用や産業用の繊維素材・製品を展開する帝人フロンティアは、新事業創出に向けて大学や公的機関、帝人グループのインフォコムと共同でスポーツ用途やヘルスケア用途などのウェアラブル製品の研究・開発を進めているが、事業拡大を図るためセンシング技術の強化策を検討していたという。

これまでも両社は業務委託の形で連携してセンシングの開発に取り組んできたが、スポーツセンシングが有するセンシング技術と、帝人フロンティアが有する繊維製品の開発力を融合させることで、スポーツ分野およびヘルスケア分野で革新的なウェアラブル製品の開発が可能であると判断し、新会社を設立。

事業内容は現在、帝人フロンティアが開発中のモーションセンシングウェアや圧電繊維ウェア、心拍・心電ウェアなどについて、実用化、製品化を推進していく。また、スポーツセンシングが培ってきたセンシング技術を活用し、スポーツ分野およびヘルスケア分野におけるウェアラブル製品を展開していく方針だ。

今後、両社の技術を融合・活用することにより、2020年に向けてスポーツ競技向けのウェアラブル製品の開発を推進するとともに、各競技において蓄積されたデータを活用し、情報提供サービスを展開していく方針だ。

また、帝人フロンティアの国内外の顧客に向けて、オフィスや工場の働き方改善などの課題に対応するウェアラブル製品の開発・販売を行うとともに、高齢化社会において課題とされるリハビリや介護に活用できるウェアラブル製品を開発し、ヘルスケア分野に展開していく。

これらの取り組みにより、2025年に帝人フロンティアセンシングとして売上高20億円、帝人フロンティアグループのウェアラブル事業として同100億円を目指す。