アイ・ティ・アール(ITR)は4月24日、国内の提供形態別経費精算市場規模推移および予測を発表した。
国内経費精算市場の2016年度の売上金額は、前年度比33.8%増の50億7000万円と増加し、2017年度も同46.7%増と引き続き成長すると予測している。
これは、電子帳簿保存法の改正により、スマートフォンでの経費精算が容易になっていることが背景にあるほか、主要ベンダー各社の積極的なマーケティング活動により、従業員や経理担当者の業務負担を軽減できるソリューションとして市場認知度は急速に高まっていることも市場拡大の大きな要因となっているという。
国内経費精算市場を提供形態別で見ると、2016年度はパッケージ市場が前年度比8.5%増に対し、SaaS市場は同46.8%増と大幅に拡大。SaaSを選択する企業が急増しており、2021年度には売上金額の約9割をSaaSが占めると予想している。
ITRのプリンシパル・アナリストである浅利浩一氏は「経費精算は、業種や企業規模を問わず、多くの企業がシステム刷新を進めているのが特徴です。SaaSとパッケージを併売するベンダーもあるものの、市場の中心はSaaSであり、主要製品でオンプレミスのパッケージのみを出荷するベンダーは少なくなりつつあります。従来、人事システムや会計システムをベースに旅費・経費精算を構築していた企業や、すでにワークフロー製品上でシステム化している企業のなかにも、旅費・経費精算を専用のサービスとして切り出して構築するケースも見られます。こうした刷新需要で、同市場は今後も活性化していくでしょう」とコメントしている。