パナソニックは、モーター系の動力用三相電力線やLED照明に使用される基幹の三相電力線などを通信用として利用する「HD-PLC」の実証実験を、「Panasonic Stadium Suita」(パナソニック スタジアム 吹田)やパナソニックセンター東京において実施することを発表した。

パナソニックセンター東京に設置した「スマートガイド」(通常点灯時)

パナソニックセンター東京に設置した「スマートガイド」(通常点灯時)

同社が開発した高速電力線通信技術「HD-PLC」は、既存の電力線を利用するためmに新たな通信線の配線が不要で、無線の不感場所でも利用できる。 また、複数の端末間をホップさせて長距離通信を可能にする「HD-PLC」マルチホップ技術を活用し、大規模施設等でのネットワーク化にも対応する。同技術は、すでに同社の福岡事業場および佐賀工場にて実証実験を行っている。

今回、新たに競技場や大規模施設での利用拡大に向けて、2018年4月より「パナソニック スタジアム 吹田」において既存の三相電力線を利用し、同社製照明設備の制御に活用するための実証実験を開始する。 また、パナソニックセンター東京では、2018年2月より、新たに三相電力線を屋外に配線し、群衆誘導システム「スマートガイド」と組み合わせた実証実験を開始している。

なお、パナソニック スタジアム 吹田での実証実験では、スタジアムの一部の配電盤、分電盤、および照明器具の近傍の電源にPLCモデムを設置し、スタジアム建物外または建物内でPLC信号の漏洩測定などを行う。これにより、将来は照明設備の設置が容易になり、イベントなどでの活用が可能になるという。

一方、パナソニックセンター東京においては、ナカ工業と連携し、足元のあかりや誘導に活用できるLED内蔵の手すり「スマートガイド」を、東エントランス側スロープに設置している。 群衆誘導や避難誘導の際に安全に移動・避難できる方向をLED照明の光の流れでアシストする。 同システムは、大規模施設の屋外・屋内に設置でき、有線通信線の大幅省線化や柔軟なレイアウトへの対応などが可能になるということだ。