三井情報(MKI)は4月20日、英Billonが開発したブロックチェーン技術を利用し、文書の改ざんや消失を防ぐ文書管理ソリューション「Durable Media」のマーケティングを開始した。
MKIは、昨年11月からBillon独自の分散型台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)を利用したデジタル通貨発行ソリューションに関する国内およびアジア地域でのマーケティングを行っており、今回は「Durable Media」についても取組みを拡大することで合意した。両社は2018年中のPoC(概念実証)の開始を目指す。
同ソリューションは、保存された文書の改ざんや消失の可能性を事実上排除(ハッシュデータに加え、基本データもブロックチェーン上に格納することから技術的にデータ変更不可)した文書管理と個人情報保護のためのソリューション。
また、GDPR(EU一般データ保護規則)や、第2次金融商品市場指令(MiFID II、EUの金融・資本市場の包括的な規制)などの規制に準拠し、すでにポーランド国内の個人信用情報機関でPoCを終えている。
利用の流れは、セキュリティやスケーラビリティを確保したブロックチェーン上に、ハッシュ値のみならず文書全体を暗号化して保管し、保管後は読み取り専用のアクセス権のみが発行され、従前の一極集中型のサーバを利用した文書管理システムで一般的に使われる管理者用特権IDなどが存在しないため、一般ユーザだけではなく特定の管理者やサービスプロバイダによる改ざんや削除を防ぐことが可能だという。
さらに、アクセス可能なユーザを制限し、個人情報を保護する機能やドキュメントのタグ付け・分類・検索などの機能を備えているため、安全で効率的な文書管理を実現するとしている。
現在までの取組事例としては、金融機関が一般顧客に向けてWebサイトに提示する住宅ローン金利や外国為替レートの情報や、保険・信託など個別契約書の保管に加え、画像・音声等の保管についても検討が進められているという。