日本オラクル 執行役員 クラウドソリューション営業統括 竹爪慎治氏

日本オラクルは4月19日、自律型データベース・クラウド「Oracle Autonomous Database Cloud」の第1弾となる「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」の国内提供を発表した。

Autonomous Data Warehouse Cloudは、データベースの複雑な設定、チューニング、管理を自動化するとともに、データウェアハウスのワークロードやデータ量の変化にも動的に対応する。

Autonomous Database Cloudは、データベースマシン「Oracle Exadata」、「Oracle Database 18c」「Oracle Cloud Infrastructure」「機会学習に基づいたポリシーベースの自動化機能」から構成されており、Autonomous Data Warehouse Cloudもこのアーキテクチャに準ずる。

執行役員 クラウドソリューション営業統括 竹爪慎治氏は、「Autonomous Database Cloudは、われわれのクラウド戦略のコアとなる技術であるOracle Autonomous Cloud Platformの最初のサービス。Autonomous Database Cloudは自動管理、児童保護、自動修復を実現するが、Oracle Databaseの40年の歴史の中で培ってきた自律化の技術が下支えとなっている」と、同社がクラウドで目指している自律化について説明した。

Autonomous Database Cloudは、今回国内提供が開始された「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」と今夏にリリースが予定されている「Oracle Autonomous OLTP Database Cloud」から構成される。

  • Oracel Autonomous Database Cloudが実現すること

Oracle Autonomous Cloud Platformは今後、データ管理の自律化を担う「Autonomous Database Cloud」のほか、アプリケーション開発、対話、アプリケ―ション&データ連携、データ分析、セキュリティと運用管理の自動化を担うサービスの提供が予定されている。

  • Oracle Autonomous Cloud Platformにおいてリリースが予定されているサービス

日本オラクル クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud Platformビジネス推進本部本部長 佐藤裕之氏

Autonomous Data Warehouse Cloudの詳細については、クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud Platformビジネス推進本部本部長の佐藤裕之氏が説明した。

佐藤氏は、自動(Automated)と自律(Autonomous)の違いについて、「われわれは、自動においては人による管理が必要だと考えている。例えば、お客さまは、プロビジョニングやパッチの適用など、いつ実行するのかを決めなければならない。これに対し、自律においては、お客さまはポリシーを設定すれば、クラウドがそのポリシーに基づき管理を行う」と述べた。

Autonomous Database Cloudはシステム構成に関する定常運用業務、高度なシステム管理、データ管理を自動化するなど、自動管理、自動保護、自動修復を実現することで、ユーザーはコストやリスク低減、生産性向上を実現するという。

  • Oracle Autonomous Database Cloudによって自動化される管理業務

続いて、佐藤氏は、Autonomous Data Warehouse Cloudの特徴について、「簡単、高速、柔軟を実現する機能を備えている」と述べた。

例えば、データベースのチューニングが済んでいるので、データベースを作成する際は、必要な項目を入力するだけで簡単かつ高速に行える。チューニングは性能にも効果を発揮しており、アシストの検証によると、オンプレミスのデータベースと比べて、検索処理時間が約10分の1、SQLチューニングの工数が約20分の1という結果が出ているという。

また、柔軟を実現する機能としては、CPUとストレージはそれぞれ稼働中に追加と削減が可能、拡張時にはシステム停止が不要といったものがある。

  • 簡単、高速、柔軟を実現するAutonomous Data Warehouse Cloudの機能

価格もCPUとストレージで分けられている。最小の利用規模は、1OCPU/1時間、1TB/1カ月から。竹添氏は、Autonomous Data Warehouse Cloudの価格について、「金額だけでなく、拡張性、パフォーマンス管理まで見てもらいたい。TCOの観点からすると、競合製品に対し、5倍から8倍の競争力がある」と語っていた。

  • Autonomous Data Warehouse Cloudの価格