パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(以下、パナソニック)は、アスターと次世代産業用モータの共同開発を開始すると発表した。各種産業機器の省スペース化、軽量化、生産性向上に貢献するため、小型化と高効率化を実現する産業用モータの実用化を目指すという。
今回の共同開発により、両社はそれぞれの技術を融合し、サーボモータの小型化と高効率化を図る。近年、ロボットや設備の小型化、工程作業時間の短縮、より高精度な制御といった要求の高まりから、産業用モータには、さらなる小型化と高効率化が求められており、その実現のためには、電磁石の役割を果たすコイルの高密度化が必要となっているという。
モータにおいて、コイルスロット面積に占める導体の割合を占積率と呼び、その値が高いほどモータの小型化、高効率化に有利となる。従来の丸線コイルの占積率は55%前後だが、成形コイルは、板状の導体を積層してコイルを構成するため、コイルごとの自由な形状設計が可能となっている。最適に設計された成形コイルでは、占積率を90%以上と大幅に向上できるため、30%の抵抗値低減、20%の高放熱化が図れるという。アスターの開発するこの高密度成形コイル技術と、パナソニックの保有するモータの小型、高効率技術を融合させることで、パナソニックの現行品比、体積20%減の小型化と、損失10%減の高効率化を目指すということだ。