日立パワーソリューションズは4月17日、日立製作所が開発した「構造化情報一元管理技術(SIMT)」を活用し、設備や機器のあらゆる情報をコンピュータ上へナレッジベース化することで、保守の高度化と迅速化を実現する「ナレッジベース保守支援ソリューション」を2018年5月から日本を含めたグローバル市場向けに提供すると発表した。
「SIMT」は、異なる設備や機器、管理システムのデータに識別子を付与して構造化することにより、保守業務に必要なシステムデータや関連するあらゆる情報を同一の通信チャネルで相関付けすることができる。加えて、情報を集約して蓄積、共有、再利用ができるナレッジベースを構築することが可能になるという。
これらの機能により、保守対応時に、設備や機器の故障予兆に関する診断結果と、過去の類似事象や点検作業記録などから得られた発生原因との因果関係の確認を可能にするなど、有効な情報を提供することで保守業務の高度化と迅速化を実現する。
今回提供を開始する「ナレッジベース保守支援ソリューション」は、「SIMT」を予兆診断ソリューションや保守部品管理システムなどと組み合わせることによって、設備や機器の稼働情報や予兆診断、余寿命予測、原因推定などの分析結果を保守に必要な手順書や点検作業記録などとともにナレッジベースとして集約、蓄積、共有し、構造的に相関付けを行うサービス。保守対応時に必要な人に必要かつ有効な情報をリアルタイムに提供することが可能になり、迅速な意思決定や効率的な保守計画に貢献するという。
また、「SIMT」によって、システムの複雑化の解消やデータ損失などのリスクを軽減するとともに、マイクロソフト社が提供する「Microsoft Azure」などのクラウドサービスと組み合わせることで、スケーラビリティを向上するとしている。