産業技術総合研究所(産総研)発のベンチャー企業であるHmcommは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)重介護ゼロ社会を実現する革新的サイバニックシステムの一環として、同社の音声認識AI技術を応用した研究を開始することを発表した。
Hmcommは、コールセンターをはじめとする顧客接点のAI化として、「VContact」を産総研の研究成果をベースに開発した。これは、顧客からの電話による問い合わせ内容を音声認識システムがリアルタイムにテキスト化し、オペレータの業務効率化などに活用されている。
また、「音のIoTプラットフォーム」のエコシステム化を目指しており、例えば、自動運転社会においては、車内、車体、車外の音を検知して、危険・故障予知や車内の会話の盛り上がりに合わせて音楽を変えるといった取り組みにも着手している。
今回、同技術を重介護者へ応用し、発話の難しい重介護者の発話内容からの要求事項を予測したり、発話から感情を認識し要介護者の状態を把握したりする等の技術開発を行うという。
同技術が確立されることで、人とロボット等の融合複合支援技術(サイバニクス技術)による新産業創出を推進し、「重介護ゼロ社会」の実現という、ImPACT重介護ゼロ社会を実現する、革新的サイバニックシステムの目的達成に寄与するとしている。
Hmcommの代表取締役 三本幸司氏は、次のようにコメントしている。「『音から価値を見出し社会を変革し社会に貢献する』を企業理念としている我々にとって、社会問題の解決に直結するプロジェクトに参画することは、設立当時からの悲願でした。革新的な研究であることから、ImPACTの枠組みと山海 嘉之PMの知見も踏まえて困難を突破し、サイバニックシステムベンダーとして非連続のイノベーションの実現を目指してまいります。」