AI・人工知能をビジネスシーンで利活用する。各企業が様々な手法で自社のサービスや業務に取り入れようと盛んに模索されているなか、ひとつのカタチとして今トレンドとなっているのがチャットボットでの利活用だろう。4月3日から5日まで東京ビッグサイトにて開催された「第2回AI・人工知能EXPO」でもチャットボットサービスの展示は数多く見受けられたが、今回ピックアップするheuristic(ヒューリスティック)ブースで展示されていた3Dチャットボットプラットフォーム「Bot3D」は、新しいチャットボットとのコミュニケーション体験を与えてくれるのでは!?と筆者の心をワクワクさせてくれた。

  • 第2回AI・人工知能EXPO、heuristicブースより

    第2回AI・人工知能EXPO、heuristicブースより

「Bot3D」は、3Dキャラクターと声で話せるエージェント、チャットボットとの会話を作るツール、3Dキャラクターの動きを作るアニメーションエディタを連携させ、ユーザーがより会話のなかに没入できるチャットボット体験を提供することができるプラットフォームだ。

エージェントとの会話を楽しむことができる「Bot3D Player」は、雑談とストーリーの2種類の方法が用意されている。雑談は読んで字のごとく、画面内に表示された3Dキャラクターと自由な会話を楽しむことができるもの。ブースでも実際に3Dキャラクターとお話することができたのだが、音声の認識もそれに対する受け答えも自然なものだった。加えて、単なるチャットボットとは異なり、キャラクターが受け答えの際に会話にあわせたアニメーションをするため、無味乾燥な機械との対話ではない暖かみが感じられるのもユニーク。一方のストーリーは、シナリオに沿ってコミュニケーションを図ることができ、ちょっとしたアドベンチャーゲームのような物語や漢字・手話の学習など、幅広い利活用方法が可能なものになっている。こちらの「Bot3D Player」は、すでにiPhone/iPadアプリとして提供されているので気になった方はチェックしてみてはいかがだろうか。

  • 写真左は「Bot3D Player」解説ボード。写真右は3Dキャラクターから手話を教わっているところ。表情や動きが豊かで滑らかなので、より一層の感情移入を促すことができる
  • 写真左は「Bot3D Player」解説ボード。写真右は3Dキャラクターから手話を教わっているところ。表情や動きが豊かで滑らかなので、より一層の感情移入を促すことができる
  • 写真左は「Bot3D Player」解説ボード。写真右は3Dキャラクターから手話を教わっているところ。表情や動きが豊かで滑らかなので、より一層の感情移入を促すことができる

チャットボットとの会話を自由自在に作成することができる「Bot3D StoryGraph Editor」では、独自のオーサリングツールによって会話はもちろん3Dキャラクターの豊かなアニメーション表現を創り上げることが可能となっている。発せられる言葉、表情や動き、カメラアングル等の視覚的要素までをも総合的に演出することができる多機能さに加え、それらの作業が非常に手軽に行えるのはポイントが高い。

  • 写真左は「Bot3D StoryGraph Editor」の解説ボード。写真右は実際にデモンストレーションで動かしていたストーリーのオーサリング画面。一見複雑そうに見えるが、会話や動きをひとつのボックスとして捉え、そられをシナリオにあわせ結びつけていくだけなのでそこまでの難しさは感じられないだろう

    写真は「Bot3D StoryGraph Editor」の解説ボード

  • 写真左は「Bot3D StoryGraph Editor」の解説ボード。写真右は実際にデモンストレーションで動かしていたストーリーのオーサリング画面。一見複雑そうに見えるが、会話や動きをひとつのボックスとして捉え、そられをシナリオにあわせ結びつけていくだけなのでそこまでの難しさは感じられないだろう

    実際にデモンストレーションで動かしていたストーリーのオーサリング画面。一見複雑そうに見えるが、会話や動きをひとつのボックスとして捉え、そられをシナリオにあわせ結びつけていくだけなのでそこまでの難しさは感じられないだろう

そして、3Dキャラクターの動きを自在に操ることが可能な「Bot3D Editor」は、3Dアニメーションの専門的な知識はまったく必要なく、タッチ操作のみで誰もがカンタンに創作することができるiPhone/iPadアプリだ。笑みや悲しみ、怒りといった表情のコントロールはもちろん、ポージングやカメラワークも思いのままに作り込むことができるうえに、手の表現に至っては、指1本1本関節ひとつひとつに動きを与えることができる。

  • 写真左は「Bot3D Editor」の解説ボード。専門的な知識を持たずとも、表現豊かな3Dキャラクターを作り出すことができる

    「Bot3D Editor」の解説ボード。専門的な知識を持たずとも、表現豊かな3Dキャラクターを作り出すことができる

  • 写真左は「Bot3D Editor」の解説ボード。専門的な知識を持たずとも、表現豊かな3Dキャラクターを作り出すことができる

Webサイト上でのお客様からの問い合わせや、コールセンター等のコンタクトポイントで積極的に利活用が進められているAI・人工知能を駆使したチャットボット。単なるチャットボットではなく我々だけのオリジナリティを持たせたい、企業や製品のコミュニケーションを促進させるアイドルとしてお客様をもてなしたい、といった“プラスアルファ”の要素のひとつとして、チャットボットに華やぎを与えることができる「Bot3D」プラットフォームは、アイディア次第で様々な利活用が期待できるソリューションと言えるだろう。

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