ソフトバンクと物質・材料研究機構(NIMS)は、「NIMS-SoftBank先端技術開発センター」の設置に関する覚書を締結したと発表した。両社は同センターでの共同研究を通して、まずリチウム空気電池の実用化に向けて連携を開始する。

同センター設立の背景には、近年注目されているIoTへの対応がある。あらゆるモノがインターネットにつながるIoTにおいては、センシングによってモノから情報を取得することが重要となる。そして、IoT社会を実現するには多くのセンシングデバイスが長期間にわたって動作する必要があり、高性能な電池が求められることから、リチウム空気電池の実用化に向けての連携が行われることとなった。

両者が実用化を目指すリチウム空気電池は、空気中の酸素と化学反応することでエネルギーを生成するもので、これまでのリチウムイオン電池に比べて、重量エネルギー密度が5倍以上となる蓄電池。さまざまなセンシングデバイスやウェアラブルデバイスなどにも長時間装用および駆動ができる軽量な電池として親和性が高いことに加え、大容量の特性を生かしてドローンなどの飛行物体、ロボティクス分野などあらゆる産業への拡張性を持つ電池としての活用が見込まれる。

  • スタックタイプのリチウム空気電池によるおもちゃのヘリコプターの動作実証実験の様子

なお両者は今後、リチウム空気電池の研究開発を重ね、2025年ごろの実用化を目指すとしている。