米Array Networks(アレイ・ネットワークス)は4月10日(現地時間)、アプリケーションデリバリコントローラ(ADC)「APVシリーズ」および「vAPV」の最新のソフトウェア(OS)を発表した。
新OSは、約30種類の新機能と機能拡張を含んでおり、セキュリティやクラウド導入モデル、専有型(専用)ADCとしての性能などを強化した。
主な新機能として「セキュアアプリケーションアクセス(SAA)と認証、認可、アカウンティング(AAA)」「セキュリティの強化」「Global Server Load Balancing(GSLB)」「次世代の専有型アプライアンスシリーズ」の4点を挙げている。
SAA機能は、Webベースのアプリケーション向けのシングルサインオンとともに、同社のセキュリティ戦略を推進し、AAAテクノロジーを統合。ユーザーが一度だけのログインで、認可を受けたすべてのアプリケーションへのアクセスを得られる環境を実現するという。
セキュリティ強化に関しては、最新のソフトウェアではAPVシリーズのSSL intercept(SSLi)機能とDDoS防御・回避機能をともに強化した。SSLiは、SSL暗号化トラフィックを平文化することにより、セキュリティデバイスのフル・インスペクションをアシストする機能。
また、同社のDDoS防御機能はアプリケーション、セッション、ネットワークの各レイヤーの攻撃の防御に対応し、機械学習を利用したアノマリ検知と閾(しきい)値の自動設定を実行する。いずれの機能も使いやすさの向上とセキュリティ機能の拡張を図っている。
Global Server Load Balancing(GSLB)は、サーバのパフォーマンスを向上させるために、マルチサイト冗長化と地理情報ベースのルーティングを提供する。GSLBの一連の機能として、SDNSサービスプール間の混合ヘルスチェックの関係性を実現する新たな方式を加え、解決サービスとユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を助ける「EDNS-client-subnet」のサポートも追加。
これにより、パブリック、プライベート、ハイブリッドクラウドなど、プライベートデータセンター(DC)間に跨るDCアーキテクチャに対し、サポートを拡張している。
さらに、新OSを標準搭載した次世代の専有型アプライアンスシリーズとして「APV x800 シリーズ」を発表。新しいソフトウェア・コアや、機能、拡張に加え、ECC暗号化とオプティカル40Gbpsインタフェースをサポートし、SSL性能をさせたという。
新製品は、レイヤー4では1秒あたりの接続数が40~50%のレンジで向上しており、モデルによってはレイヤー7での1秒あたりのリクエスト処理数も同様に向上したとしている。
なお、同社の専有型ロードバランサのアプライアンスの現行ラインアップである「APV x600 シリーズ」と、それらをサポートするソフトウェアも引き続き製造・販売を継続していく。