2018年4月11日~4月13日にかけて開催されている、中食・外食産業向けの総合展示会「FABEX2018」(会場:東京ビッグサイト)。ここでは、外食を支える業務用の食品機械をピックアップして紹介する。

果実がそのままグラスに

「生搾りグレープフルーツ」などフレッシュな果実の提供は、居酒屋やバーなどのメニューの花形といえるもの。しかし、果汁を絞るためには強い力をかけないとならず、ヘタなどから出る渋みが出てしまうなどのデメリットがあった。

それらを解消した上で、目にも楽しいかたちでの提供を実現する果汁絞り機「カジュッタ」が展示されていた。製造元のヤマトは、金属加工を手がける企業。その技術を活用して、内部の果肉だけを円状にたわむ柔軟なブレードで攪拌し、果物の果皮をグラスのようにして提供可能な生搾りジュースを実現した。

  • 果汁絞り機「カジュッタ」

    果汁絞り機「カジュッタ」

  • 果汁絞り機「カジュッタ」

    果皮を破らずに内部を絞れるので、果物から直接果汁を飲んでいるような提供が可能。

小盛り・中盛り・大盛りを自動判別

米飯加工機器を提供する不二精機は、飲食店やスーパーなどにも設置可能な小型タイプの加工機を展示していた。なかでも、ご飯を自動盛り付けできる「飯盛り達人3」では、保温性・保湿性を向上させ、長時間の保温時でも食味が低下しないようにしている。

また、今後は専用の茶碗を用いることで、あらかじめ設定した量のご飯を盛り付ける機能を検討している。これにより、小盛り~大盛りまでのよそい分けの省力化・高速化が見込める。社員食堂などであれば、セルフサービス化もできるだろう。

  • 不二精機

    「飯盛り達人3」

  • 「飯盛り達人3」

    指定した量の米飯を盛り付けられる。

音響機器のデザインを生かしたすしメーカー

音響メーカーとして知られるオーディオテクニカ(オーテック)も米飯加工機を展示。特にシャリ玉成形機「ASM430」は、グレーとブラックのツートンカラーが目を惹く、食品機械としては異色のルックスだ。

同社の米飯加工機はオーディオ開発のデザインを手がけるスタッフが行っているということで、黒モノ家電のような、機能性を訴求する仕上がりとなっている。このほか、自動のりまきメーカー「ASM880」などを展示していた。

  • シャリ玉成形機「ASM430」

    シャリ玉成形機「ASM430」

  • 自動のりまきメーカー「ASM880」

    自動のりまきメーカー「ASM880」

そばを冷水で締める作業を自動で

麺類を提供する外食チェーンなどで使われている機器を提供している大西冷熱は、自動で麺類を冷水で締めることのできる装置を展示していた。氷蓄熱冷水シンクに自動で上下動するリフティング装置を設置することで、冷水に手を入れることなく、1度に4玉の麺の冷却を行うことができる。

  • 麺を冷水で締める作業を自動化するリフティング装置

    麺を冷水で締める作業を自動化するリフティング装置

外食店舗に導入されているこうした加工機器は、労働人口の減少による人手不足を補う役割が大きい。多様な外食産業を裏で支える機械の存在は、今後ますます大きくなっていきそうだ。