4月3日から5日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「第2回AI・人工知能EXPO」。主催者であるリード エグジビジョンジャパンによると、この3日間で約4万6000人以上もの来場者が会場へ足を運び最新のテクノロジーに触れ「我が社のビジネスに活かせるモノはないか?」「AIを用いたサービスの最新トレンドは?」などと真剣な眼差しでチェックする姿がそこかしこで見受けられた。
今回ピックアップするのは、AI・人工知能を用いて言語処理と画像認識に関するサービスやソリューションを展示、来場者から高い注目を集めていたSCSKブースだ。ブースには、AI・人工知能を用いた言語処理に関する4つのサービス、同じく画像認識に関する4つのサービスの計8つのサービスが展示されていた。なかでも筆者の眼を惹いたのは、画像認識技術を駆使した『ワンダーレジ』だ。
この『ワンダーレジ』は、主にコンビニエンスストアのような“購入点数の少ない店舗”に向けられて開発されたAI搭載セルフレジで、購入したい商品を所定の場所に置き画像認識を行うことでスピーディに会計を行うことができるという優れもの。他のセルフレジとはアプローチが異なり、RFID(電子タグ)を利用するために入店・購入用アカウントを必要とせず、人手不足の解消はもちろん、ジュース1本を買おうと思ったら長蛇の列でげんなり……といったレジ待ち渋滞の解消にも役立ってくれる。
ブースでは実際に『ワンダーレジ』でのお買い物を体験することができたが、商品を選び台の上に置くだけでよいため既存の自身でバーコードを読み取らせるセルフレジと比較すると読み取りエラーも発生しにくく非常にラクチン。また、非常によく似たラベルの商品であっても正しく認識する精度の高さは「実用化され街で見掛ける日も近い」のではないかと感じさせてくれるほどだった。
次いで惹き付けられたのが、AI・人工知能とプロフェッショナルの協働によって映像制作の現場を圧倒的に効率化してくれるツール『映像制作向け多機能AIアシスタント』だ。ブースでは、モノクロの映像をフルカラーへと自動で変換するデモ映像が公開されていたのだが、映像制作現場のプロフェッショナルが僅か数フレームぶんだけ色彩加工を行うだけであとはAI・人工知能が学習、自動で変換作業を行ってくれるという。
よく「AIに仕事を奪われる」といった話を耳にする機会もあろうかと思うが、本ツールは“ヒトとAI・人工知能の理想的な協働”のカタチを示しているのでは? と感じた。AI・人工知能を活用することで、作業工数の低減・効率化を図りながらヒューマンリソースを適材適所、ヒトが行うべき創造性が必要とされる作業・業務にあたることができるだろう。
AIのことがもっとわかる!
【連載】教えてカナコさん! これならわかるAI入門