日立製作所は11日、マイクロソフトのヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens」を利用したMR(複合現実/Mixed Reality)で手術室構築をイメージできるコンテンツを病院や医療機関向けに開発したことを発表した。
MRを使った先端分野の訓練や業務改善が進んでいるが、日立製作所は「Microsoft HoloLens」ヘッドマウントディスプレイを利用して、手術室構築イメージを体験できるコンテンツを開発したことを発表した。
MRIシステムや生体モニタ、麻酔器や手術顕微鏡など医療機器の配置を前提とした手術室の新設や、最新機器の導入など医療機関向けに開発されたコンテンツは、執刀医や麻酔科医、看護師など複数スタッフが共有する手術室で効率的なオペを行えるように実際の配置を複合現実で再現するもので、事前に機器レイアウトやその動きをイメージすることが困難であったという課題に取り組むものだ。
同社は漏えい磁場の範囲が狭い永久磁石型オープンMRIシステムの設置や3月販売のデジタル手術支援ソリューション「OPERADA」など医療空間における課題への取り組みを1999年から行っている。新たに開発されたコンテンツは、MRIシステムを中心に手術支援や映像統合配信システムを提供するこのOPERADAを導入した手術室イメージをHoloLensを使ったMRで再現できる。
HoloLensの視界を遮ることなく装着した状態で現実の周囲や手元を確認できる特徴が、ホログラムによるバーチャル医療機器の配置や導入のリアルな再現に貢献することに同社は言及しており、"実際の医療機器を配置した手術室をイメージしたい""導入した機器をどのように操作するか事前にスタッフ間でトレーニングしたい"という医療現場のニーズに応えられるとしている。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows & デバイス ビジネス本部 本部長 三上 智子氏は、2017年より国内販売がスタートした「Microsoft HoloLens」が、医療、教育、製造、建築や不動産など分野で活用が進んでいること、医療分野では手術トレーニングや医療機器配置シミュレーションでの活用検討が進んでおり、今回のコンテンツ開発が医療分野のデジタルトランスフォーメーションを推進していくことに対しての期待を表明している。
なお、開発コンテンツは4月13日(金)から4月15日(日)にパシフィコ横浜で開催される「2018国際医用画像総合展(ITEM2018)」の日立ブースで体験できる。