パナソニックとAZAPAは、小型EV向け電動パワートレインの開発で培ってきた、モデルベース開発における協業関係を更に深化・拡大させるために資本業務提携を行うと発表した。今後両社は、中長期的なビジョンを共有して共同開発を行う。
今回の資本業務提携により、両社は中長期的なビジョンを共有して共同開発を行うことで、電動パワートレイン分野の協業深化に加え、協業範囲をコックピットやADASの分野にまで拡大し、ドライバーや同乗者の状態を検知し快適なドライブを提供する車室内空間や、高度な運転者支援を実現する先進機能の開発を加速していくという。
近年の自動車開発では、電動化への対応や先進運転支援システム(ADAS)の搭載など高機能化と多機能化が求められており、設計・性能評価のプロセスは以前にも増して複雑化してきている。そのため、試作を繰り返す従来の設計・性能評価では開発工数が肥大化し、試作をシミュレーションに置き換えるモデルベース開発の活用が非常に重要となっている。両社は、仕様検討段階からモデルベース技術を活用し、設計の完成度を高め、後工程での手戻り削減・車載システムの性能向上に取り組んでおり、2015年より小型EV向け電動パワートレイン開発で協業している。その結果、高い性能を確保しつつ、開発期間短縮を実現したという。
今後両社は、パナソニックの車載分野におけるコンポーネント開発技術やモノづくり力と、AZAPAの持つモデルベース開発や、車両全体をシミュレーションする知見、人間の感性を数値化する技術を持ち寄ることで、カーメーカーをはじめとする顧客に対し、電動化やコックピット、ADAS等の領域で新たなシステム価値創出を実現していくということだ。