ブイキューブロボティクスは、農林中央金庫(JAバンク)、ABC Cooking Studio、リクルートライフスタイル、農協観光の4社が熊本県・大分県の震災復興に向けて発足した「食農グリーンツーリズム」の視点による支援を行うプロジェクトに参加し、 摘みたていちごを農園から宿泊施設にドローンで空輸することをテーマとした「ドローンを活用したいちごの空輸実証実験」を実施した。

  • 木之内農園にてドローンにいちごを積む様子(出所:ブイキューブロボティクス ニュースリリース)

    木之内農園にてドローンにいちごを積む様子(出所:ブイキューブロボティクス ニュースリリース)

同実証実験は、熊本県の木之内農園で3月28日11時30分より「災害時に道路が寸断されている状況下で、農園から摘みたていちごを宿泊施設である蘇山郷にドローンで空輸する」という設定で実施されたもの。同実証実験では、8パックのいちごを摘んだ状態のドローンが自動離陸し、事前に設定した航路を自動飛行しながら、いちごの形を崩さないまま運搬、その後自動着陸に成功した。ドローンは約1kmの航路を7分程度の時間をかけて安定して飛行したという。熊本の災害時には、道路が寸断され、生産者がいちごや牛乳などの生鮮食品を廃棄せざるを得なかったという経緯がある中、ドローンで空輸することによって、災害時にも生鮮食品を新鮮な状態で消費者に届けられることが実証された。

同社ではこの結果を踏まえ、災害発生時における物資緊急輸送にドローンを有効活用できるソリューションの提供に実現に向けて努力していくという。また、「異業種4社による食農グリーンツーリズム共同記者発表会」にて、代表の出村氏が登壇し、前日に行ったテスト飛行の様子の投影と共に、同実証実験に関する説明が行われた。

出村氏は、同発表会にて「震災当時には主要道路が寸断され、地割れで道路が破損し、通行も困難な状況の中で、数日しかもたないいちごや牛乳等の生鮮食品は廃棄せざるを得ない状況となり、生産者は大きな2次被害を受けたと伺っています。弊社は過去に仙台市でのドローンによる緊急時医薬品輸送を行った実績があり、今回のプロジェクトに参画させて頂いたのですが、このような輸送技術が確立されれば、災害時でも農産物の出荷が可能となり、 生産者の2次被害を抑えながら、実際に農作物を待っている人たちに届けることが出来るという、事業者・生産者双方に大きなメリットを生み出すことが出来ると考えています。」とコメントを行った。