ビジュアルデザインスタジオ「WOW」は、大型展覧会「WOW Visual Design Studio-WOWが動かす世界-」を開催している。会場は東京・南青山の「スパイラル」、会期は4月15日まで(会期中無休)。開場時間は11:00~20:00(最終入場は19:30まで)。2フロアは無料展示、スパイラルホール(3F)のみ有料で、一般:800円、小中高生:500円、未就学児:無料、ペア割引:1000円。
同展は、これまでWOWが手がけてきた多様な作品から完全新作まで一堂に展示し、過去・現在・未来を見通せる構成となっている。3フロアを使用して同スタジオが手がけてきたビジュアルデザインの全容を公開している。
目玉となるのは、3Fスパイラルホールで展示されている体験型展示。2017年3月にせんだいメディアテークで展示したインタラクティブ作品「BAKERU」を東京で初展示している。
紙のお面をかぶってスクリーンの前に立つと、東北に息づく異形の存在たちに「化ける」ことができる。お面上部につけられた再帰性反射シールを読み取ることで、お面をつけた時にだけ化けるというギミックを実現。四季を反映した4つのスクリーンごとに、愛らしくもどこか不思議な異形の存在になることができる。体の動きが連動することで、だんだん自分も画面の向こう側へ行ったような感覚になるような、不思議な没入感が印象的だった。
同じフロアには透明有機ELディスプレイ20枚を並べ、自然界の現象を提示する完全新作「RENDER」が展示されている。これは現場で見るのが最も映える作品なので、興味のある人はぜひ来館してみてほしい。
「技術ありきの展示ではなく、表現したい展示のために技術を用いる」のがWOW流の表現という。その言葉通り、技術のためのショーケースではなく、表現のためにテクノロジーを活用する同スタジオの活動に、今後も注目したい。