国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は4月2日(米国時間)、中国の半導体パッケージング市場(最終検査を含む)が、政府の大型投資を原動力に2017年に前年比23%増の290億ドルとなり、世界最大のパッケージング装置および材料市場となったことをまとめた調査レポートを発行した。
中国のパッケージングおよび組立市場は、大手の多国籍企業だけではなく、中国の地場企業も育ってきており、100社以上が競合している。中国のパッケージング企業の大半は長江デルタ地域に設置されているが、最近は中国中西部もパッケージング工場の集積地となってきたという。SEMIが今回発行した中国パッケージング市場に関する調査レポートの要点をまとめると以下の通りとなる。
- 過去10年の中国の半導体パッケージングへの投資は他の地域よりも高く、中国系メーカーは中央および地方政府からの支援を得て生産能力と技術能力を増強
- 中国系パッケージング企業の大手3社(JCET、Huatian、TFME)は、現在、OSAT(Out Source Assembly and Test:半導体後工程受託製造)の世界ランキングトップ10に入っている
- SPIL、TFME、NCAPなどの大手パッケージング企業が新たな工場建設を中国で進めている
- 中国がLEDの主要生産地となったことが成長の原動力で、中国のLEDパッケージング市場は2017年に134億ドル規模に成長した。これは中国における半導体パッケージング市場のほぼ半分に相当する規模となる
- 2017年の中国パッケージング材料市場は、全世界の26%を占めており、2018年には52億ドルを超すことが予測される
- 2017年の中国の組立装置市場は14億ドル。世界市場の37%を占める世界最大の市場に成長
- 2017年の中国の組立装置市場で、中国所在の外資系企業あるいは合弁企業による生産分を含む中国国産装置は17%
- パッケージング市場の成長により、中国系パッケージング材料サプライヤも成長し、大手パッケージング企業との取引が開始
なお、今回のSEMIの調査レポートでは、中央ならびに地方政府の中国半導体産業に対する支援、ガイドライン、政策の重要性も明らかにしているとのことで、特に2014年に設立された中央政府および地方政府の半導体ファンド、さらに「中国製造2025(Made in China 2025)」政策が、中国半導体産業の成長を加速をさせており、パッケージングおよびテスト企業にとって、関係する政府機関や工業会と緊密な連絡と関係を維持することが政治的、経済的な支援を確保するためには不可欠としているほか、中国半導体メーカーとIC組立およびパッケージング企業は、中国で製造された装置および材料を購入することが政府から期待されているともしている。