アライドテレシスは4月3日、ハイブリット・ワイヤレスシステムである「AWC Channel Blanket(AWC-CB)」を開発したと発表した。

同社は2017年3月から、京都大学大学院情報学研究科 守倉研究室との共同研究に基づき開発した自律型無線LAN「AWC(Autonomous Wave Control)」を提供している。

同社の無線LANソリューションは、AWCにより専門知識がなくても最適な無線LAN環境を容易に構築・運用でき、「SES(Secure Enterprise SDN)」との組み合わせによりネットワークセキュリティの強化を実現するとしている。

また、ユニファイド・ネットワークマネージメント・ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」との組み合わせで、無線/有線LANの統合管理と視覚化を実現するほか、「Vista-Cloudサービス」によりAWC機能のクラウド上からの利用も可能としている。

これらの無線LANソリューションに加え、モバイル端末の利用ニーズの増加に応えるため、同社の保有特許技術である複数のAP(アクセスポイント)を仮想的に単一チャンネルとして提供するブランケット型(AWC-CB)による、ローミングのない無線LANを開発した。

また、AWCの無線制御技術により「チャンネル・ブランケット型」と「セル型」の2方式を1つのAPに搭載したハイブリット無線LAN APを開発。

同技術により、音声などのローミングが問題となる通信にはチャンネル・ブランケット型を、大容量の通信にはセル型を用いるなど、アプリケーションごとに最適な無線LAN環境の提供を実現。両方式の併用により、無線LANの構築・運用の柔軟性とコストパフォーマンスを提供するとしている。

ブランケット型のメリットとしては、ローミングレスであり、パケットロスがなく、切れない安定した無線環境を実現するという。また、IEEE802.11a/b/g/n/acなど多様な無線クライアントに対応し、高密度でのAP設置で干渉なく細部まで無線LAN提供が可能だという。

一方、セル型のメリットは5GHz帯を用いた高速/大容量通信の実現、大規模のクライアントをセルで分散して無線LANの提供が可能、IEEE802.11k/v/rを用いる高速ローミング、メンテナンス不要の無線LAN環境の提供などを挙げている。

今回の開発により、AWC-CB対応無線LAN AP「AT-TQ5403シリーズ」を2018年第3四半期に先行販売開始するとともに、AWC-CBフィーチャーライセンスを2018年第4四半期にリリースを予定している。