ディー・エヌ・エー(DeNA)は4月3日、AI研究開発部門におけるデータサイエンス力強化のための新制度「Kaggle社内ランク」を2018年4月より導入することを発表した。

「Kaggle」とは、企業や研究者がデータを投稿し、世界中の統計家やデータ分析家がその最適モデルを競い合う、予測モデリング及び分析手法関連プラットフォーム。Kaggleでは、コンペティション方式によって、参加者の提示したモデルが即時に採点され、順位が表示される。そして、コンペティションに参加し、最適モデルを提示したデータサイエンティストには企業や研究者から賞金が支払われる。

「Kaggle社内ランク」では、Kaggleの実績に応じて業務時間でのKaggle参加許可割合を定めるというもの。同社ではこれにより、「Kaggleでの実績を積み上げることでのデータサイエンス人材のキャリア形成を支援」「Kaggleで培った多種多様な分析問題に対する解法の知見を、DeNAの様々な事業の分析課題に活用」「チームでのKaggle参加によるデータサイエンティストの分析スキルの育成」といった効果に期待しているという。

Kaggle参加許可割合は、最上位「Rank SS」に達すると社内の主担当業務でのアサインがなくなり、100%の工数をKaggleで利用することも可能になる。

  • 「Kaggle社内ランク」制度

    「Kaggle社内ランク」制度

現在、DeNAのAI技術部門であるAIシステム部のデータサイエンスチームには日本全国では数十名程度が該当するKaggle Masterのうちの4名が在籍しており、ゲーム、オートモーティブ、スポーツ等DeNAの各種事業データを用いての高度データ分析、予測モデルの作成に取り組んでいる。

このデータサイエンスチームの体制を2018年度中に10名超の体制とするべく、同社では積極的に優秀なKaggle人材の採用と育成を進めていく予定だ。