セイコーエプソン(以下、エプソン)は、高性能な6軸センサーの慣性計測ユニット(IMU)の新製品「M-G370」および「M-G365」を開発、サンプル出荷を開始したと発表した。両機種ともに、2018年末の量産を予定しているということだ。

  • 「M-G370」(コネクター面)

    「M-G370」(コネクター面)

  • 「M-G365」(マーキング面)

    「M-G365」(マーキング面)

同製品は、本格的な自動運転を実現するために必要なFOGクラス性能と高品質・量産性に優れたIMU。従来製品(M-G364/354)と上位互換性を維持しているため、容易に性能のアップグレードが可能となっている。用途としては、自動運転・自動制御、無人機、ナビゲーションシステム、制振制御、産業機器・車両の振動・角度・軌道計測、などが想定されているという。

「M-G370」は、FOGクラス性能を1インチサイズで実現したエプソン最上位機種となっている。高精度な位置計測が必要な慣性航法アプリケーションに最適で、ジャイロバイアス安定性や角度ランダムウォーク、ノイズ性能などを大幅に向上した新開発ジャイロセンサーを搭載している。また、加速度バイアス安定性能が大幅向上した新開発加速度センサーにより、加速度初期バイアス誤差2mg(1σ)を実現しているという。

「M-G365」は、新たに姿勢角出力機能を搭載し、幅広いアプリケーションに対応した次世代スタンダード IMUとなっている。拡張カルマンフィルターを高速演算処理可能なオリジナルDSP搭載により、低消費電力で高精度な姿勢角をリアルタイムに出力することができる。また、システム本体側で動的姿勢角度の高速演算処理が不要なので、システムの負荷・消費電力を削減可能となっている。

両製品共通の特徴としては、ワイドダイナミックレンジかつ高安定で、低ノイズを両立した新開発の高性能センサーを搭載している点が挙げられる。また、静止状態から高速動作まで高精度に計測する優れた動的性能(感度直線性)や、16mAという低消費電流を実現しているということだ。