東陽テクニカは、フランスのBioAxial SAS(以下、バイオアキシャル)と日本における総代理店契約を締結し、一般的な共焦点蛍光顕微鏡を“超解像顕微鏡”に変える「CODIM100 超解像顕微鏡モジュール」を発売したと発表した。同製品は、100nm以下の超解像イメージングで、生細胞を安定して観察可能することができる。
同製品は、バイオアキシャルの開発した顕微鏡技術を搭載した、一般的な共焦点蛍光顕微鏡に取り付けるだけで100nm以下の解像度を達成し、超解像顕微鏡に変えるモジュール。ライフサイエンス研究において、生細胞中の蛋白質の挙動を観察するためには、蛋白質を蛍光試薬などでラベリング後、共焦点蛍光顕微鏡などで観察されるが、これらの顕微鏡の解像度は約200nmと低く、薬剤がどのように蛋白質などに作用しているか鮮明に観察することができなかった。そのため、“超解像顕微鏡技術”が開発されたが、複数のメーカが販売する超解像顕微鏡は一般的な共焦点蛍光顕微鏡と比べ数100〜数1,000倍以上の強い光を生細胞に照射するため、細胞自体が死滅(光毒性)する、生体の動きを長時間にわたり観察するタイムラプス測定では蛍光試薬が褪色してしまうなどの課題があった。
これらの問題を解決するため、バイオアキシャルは、円錐回折を用いた独自の顕微鏡技術を搭載した「CODIM100 超解像顕微鏡モジュール」を開発。同製品は、生体に照射する光の強度が一般的な共焦点蛍光顕微鏡と同等以下で済むため、超解像顕微鏡で課題となっている光毒性による影響を大幅に軽減することができる。また、蛍光試薬の褪色も抑えるため、共焦点蛍光顕微鏡などで既に使用している蛍光試薬を用いて、長時間かつ高時間分解能のタイムラプス測定を行うことができる。分解能は、488nmのレーザ波長で最大90nmを実現している。
同製品により、生細胞内における蛋白質の挙動を鮮明かつ長時間にわたり高い時間分解能で観察ができるため、生体現象を的確に検証・評価することができるようになるという。さらに、既存の共焦点蛍光顕微鏡に取り付けるだけで簡単に利用できることから、初期導入コストも抑えることができるということだ。