アイ・グリッド・ソリューションズと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は4月2日、電力ビッグデータや個別店舗の電力利用状況を深層学習することにより、店舗や事業所での使用電力量を予測するAIを共同開発したと発表した。アイ・グリッド・ソリューションズは、新開発したAIを使い、省エネアクションの提案まで行うアルゴリズムを実装した次世代エネルギーマネジメント支援サービス「エナッジ」を5月21日から提供開始する。

「エナッジ」は、電力ビッグデータを活用した店舗ごとの電力使用量予測を行うAIと、省エネのノウハウを活かした省エネアクション提案を組み合わせたスーパーマーケットなどのエネルギーマネジメント支援サービス。自発的な行動変容を促す行動経済学の「ナッジ理論」を採用しているという。

店舗ではタブレットにより、エネルギー利用状況や電力使用予測、その分析を踏まえた、「今日の省エネ TO DO」を知ることができ、省エネアクションに繋げることが可能。また、本部では、電力使用に関する全店データを統合して閲覧できるほか、異常値の検出やメッセージ機能を活用した各店舗との連携が可能で、AIを使った使用電力量の予測を活かして、電気基本料金の計算の根拠となる最大需要電力(デマンド値)に対するマネジメントや電力の使い方に対する評価などを支援する。

  • 店舗のトップ画面イメージ

    本部のトップ画面イメージ

  • 本部のトップ画面イメージ

    店舗のトップ画面イメージ

新サービスに実装される新開発AIの特徴として、店舗ごとのAI開発が可能で、導入後に早期に予測を開始するために短い期間の実績データで予測ができるほか、店舗の定休日の影響を加味した予測をするなど、各店舗の電力使用の特性を反映した予測ができる。

さらに、運用にあたっては、天気予報と実際の気温との差異が電力量予測に及ぼす影響も分析し、運用負荷を考慮したAI再学習の周期について最適化も実施するほか、AI開発環境としては、GRID社の深層学習や最適化アルゴリズム、生成モデルをはじめ様々なアルゴリズムをライブラリとして備えているAI開発フレームワーク「ReNom」を利用することにより、アイ・グリッド・ソリューションズとCTCで早期の開発を実現するとしている。