ベリタステクノロジーズは3月29日、記者説明会を開催し、代表執行役員社長の大江克哉氏と常務執行役員の高井隆太氏が、2018年度の事業および製品戦略を紹介した。
まずは、大江氏から2018年度から2020年度にかけての事業戦略について説明が行われた。これまで、データ管理の対象は物理サーバやデータセンターだったが、企業では複数のクラウドサービスの利用が進んでいることから、大江氏は「今や、マルチクラウド活用を前提としたデータ管理が経営の最重要なテーマとなっている」と述べた。
こうした背景の下、同社はマルチクラウド環境におけるデータ管理を事業の柱としており、一昨年、マルチクラウド環境のデータ管理に関する課題を全方位的に解決するコンセプトとして「360度データ管理」を発表。「360度データ管理」を実現する製品は既に10製品投入されている。
2018年度(2018年4月スタート)から2020年度にかけては、「顧客がデータ活用をマルチクラウドで簡単にできるように」を成長戦略に据える。そして、「360度データ管理」において課題に据えている「データ保護の活用」「ストレージの最適化」「マルチクラウド」に注力することで、「データ保護ソフト分野でシェアトップ」から、「マルチクラウドのデータ管理分野でシェアトップ」の企業に成長することを目標とする。
具体的には、「エンタープライズビジネス」「OEMビジネス」「アプライアンス、SDS、クラウド、コンサルティング分野のソリューション」に注力することで、 2020年度の売上を2017年度の2倍にすることを目指す。
OEMビジネスについては、NEC、富士通、日立製作所と契約を結んでいる。大江氏は、「NECには、すべてのソフトウェア製品を販売してもらっていたが、今回、アプライアンス販売においても協業することになった。」 富士通と日立とは、現在、ストレージ分野での新たな協業が進んでいる」と語った。
高井氏からは、2018年度に注力するソリューション領域と各領域に対するアプローチについて説明があった。「データ保護」「SDS」「デジタルコンプライアンス」というソリューション領域に対し、ソフトウェア、アプライアンス、クラウド、コンサルティングといったアプローチから取り組んでいく。
「アプライアンス」については、同日、超大規模な環境をカバーする新製品「Flex アプライアンス」、長期間のデータ保存に適したアプライアンス「Veritas Access アプライアンス」がリリースされた。Flexアプライアンスは、ハードウェア「Flex 5340アプライアンス」とソフトウェア「Veritas Flex」の組み合わせで提供され、ストレージは最大1920TBまで構成可能。先に挙げたNECの協業開始もアプライアンス事業の拡大に位置づけられる。
「クラウド」については、データのアーカイブ/Eディスカバリー向けのSaaSである「」の拡張を予定している。Microsoft Office 365、IBM Domino、Google G Suiteのメールのアーカイブに加え、他のデータソースを拡張する予定だ。
「コンサルティング」においては、エンタープライズビジネスを伸ばすため、さまざまな取り組みを推進する。具体策としては、「コンサルティングの人員増強」「新製品に対するパートナー支援」「アドバイザリー部門の立ち上げ(GDPRなど)」がある。