研究開発型ベンチャー企業のTRIART(トライアート)は、同社の画像解析技術を応用した図面比較システム「MIIDEL(ミーデル)」に、このたびAI(人工知能)画像解析による特徴検出と歪み補正機能を搭載し、新たに「MIIDEL version 3」としてサービス提供を開始したことを発表した。

  • MIIDELによる間違い探し

    MIIDELによる間違い探し

建築物の工事過程において、人的作業による図面の受け渡しは見落としや伝達ミスなどが起こり、施工時に大変な手戻りや発注ミスが発生する場合がある。

MIIDELは、新旧図面・書類のチェック作業において、目視判別が困難な変更点の見落としをなくす図面比較システム。建築業界を中心に図面差異を検出する業務現場での図面の変更点チェック、積算図と契約図との比較、施工図と設計図との比較など、"効率的にわかりやすく変更点が「見い出る」システム"。

  • 自動解析機能のイメージ図

    自動解析機能のイメージ図

今回リリースされた「MIIDEL version 3」では、比較対象書類の特徴を自動で認識し、類似点を検出し歪みを補正した後、比較処理を実行する「自動解析機能」が搭載された。これにより、変更前後の縮尺が異なる図面であっても、最適な拡大縮小や回転、部分的な伸縮などを調整した上で比較をおこなう。サイズの異なる書類や、スキャナーやデジタルカメラで撮影した歪みのある書類など、従来難しかった書類同士の比較が可能となった。複数のページも全自動で調整することが可能となり、比較処理中でも別の作業を実行できる。

また、図面に限らず、仕様書や見積書の変更点をわかりやすく表示するため、日常的に取り扱う文書の比較などにも活用範囲を広げ、目視では判別しにくい小さな変化をいち早く効率的に検出するシステムとして、より広範な業界において利用できるシステムとして進化している。

  • 仕様書の比較

    仕様書の比較

さらに、サイズ自動補正が可能になったことで、異なる形式の比較も可能。スキャンした画像とPDF図面の比較や、年季が経過した青焼きの図面とスマートフォンで撮影した写真の比較などの用途でも活用できる。

  • 異図面(給排水衛生設備図と構造図)の比較

    異図面(給排水衛生設備図と構造図)の比較