ベネッセは3月28日、「THE 世界大学ランキング」を手がける教育専門誌「Times Higher Education(THE)」を有するTES Globalが、ベネッセグループの協力のもと、同ランキングの日本国内版である「THE 世界大学ランキング 日本版」の第2回目の調査結果となる「THE 世界大学ランキング 日本版2018」を公開したことを発表した。
同ランキングは、一般的に注目される合格者の学力によるランキングとは一線を画したもので、大学に入ってからの教育に対する充実度や、卒業した後を含めた評価など、さまざまな視点による評価を実施することで、高等教育をさらに良いものへと進化させ、世界から注目される大学になってもらうことを目指して作成されているもの。第2回目となる今回は、前回の調査結果同様の「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」という4つのメソドロジー(ピラーとTHEが呼ぶ評価分野)であるが、その比率は、それぞれ38%→34%、26%→26%、20%→20%、16%→20%へと修正された。これは、国際性の評価として、国内のさまざまな大学から、海外からの留学生受け入れだけではなく、日本から海外に留学生を派遣していること、また日本語ではなく、英語での授業を行っている場合もあることといった指摘があり、そうした指標を加えたことによる変更が背景にある。
そのため、これら4つのピラーは、前回までその構成要素である項目(Metrics)は11項目であったものが、第2回となる今回は、「日本人学生の留学比率」ならびに「外国語で行われている講座の比率」の2つが追加され、全部で13項目へと修正されている。また、それぞれの項目についても、国際性の比率が増えた分、教育リソースのうち、「学生1人あたりの資金」が10%→8%、「教員1人あたりの競争的資金獲得数」が7%→5%へとそれぞれ減少したほか、国際性の「外国人学生比率」と「外国人教員比率」もそれぞれ8%→5%へと減少している(その分、国際性には追加された2つの項目がそれぞれ5%ずつ比重を占めている)。さらに、教育成果の比率は変化していないが、その項目の比率が変化。前回よりも多くの企業からの評価を得ることができたとのことで、「企業人事の評判調査」が7%→10%と上昇した代わりに、「研究者の評判調査」が13%→10%へと減少している。
第2回となる今回の結果は、国際性の比率が高くなったことから(特に海外留学については、期間によって重み付けを変化)、そうした海外の大学とのパートナーシップなどに注力し、多くの学生を海外に留学させている大学などが上位にランクイン。そうした結果、同点で東京大学と京都大学の2校が総合ランキングの1位となった。また、公立大学のトップは12位に国際教育大学(秋田県)が、私立大学のトップは10位に慶應義塾大学がそれぞれランクインしている。
なお、次ページ以降に、総合ランキングならびに教育リソース、教育満足度、教育成果、国際性の各順位を150位まで記す。