島津製作所は、医用機器事業のさらなる成長を目指し、同社のX線TVシステムや一般撮影システムを製造するグループ会社の島根島津内に新棟を建設すると発表した。新棟は鉄骨造3階建で、延床面積は約6300m2、設備投資総額は約17.4億円となっている。また、着工は2018年7月で、竣工は2019年2月を予定している。
新棟では着荷や開梱、仕分けなどの作業を集約し、島根島津構内全体の物流の整流化を目指す。集約にともなってスペースを確保した既存棟には、板金複合加工機などの追加導入によって設備を増強するとともに、製品の組立エリアを拡張する。さらに、島根島津外部の倉庫も構内に集約することで、物流コストの削減を図るという。
同社は今回の新棟建設にあたって、IoT技術の利用も推進し、自動搬送車の導入などによる部品物流の自動化を進めるほか、生産および品質管理、入出庫関連データの自動収集などを通じ、生産効率の改善に取り組むとしている。
そのほか、設計段階や試作段階の早期から島根島津の製造技術を取り入れるため、「設計試作センター」を新棟内に建設。これまで、試作品の設計や組み立てを担っていた京都の本社工場と島根島津の製造現場の距離を縮め、ノウハウの共有を強化しすることで、速やかな試作品製造や加工性および組立性の評価、コストダウンなどを図り、全体として開発効率の向上を目指すとのことだ。
なお、今回の新棟が竣工すれば、島根島津の生産能力が現在の約1.5倍に拡大することとなるといい、島津製作所では、2025年に医用機器事業での連結売上高1000億円の実現を目指すとしている。