NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3月28日、欧州のグループ会社であるe-shelterを通じて「オランダ アムステルダム 1 データセンター」(AMS1)を建設し、欧州におけるデータセンター基盤を拡大すると発表した。
同社がオランダにデータセンターを保有するのは初めてとなり、欧州での展開は7カ国目。オランダ・アムステルダムのスキポール国際空港に近いエリアに、地上3階建てのデータセンター専用ビルを建設。
クラウド事業者やICTサービス事業者を始めとする企業ユーザーを対象にサービスを提供する2018年度第4四半期にサーバルーム面積として約4000平方メートルの提供を開始する。また、今後の需要に応じて、最大約1万6000平方メートル(6400ラック相当)、総電力供給容量39.6MWまで拡張していく予定としている。
特徴として「高い信頼性を備えた施設と安全な立地」「厳格なオペレーションとセキュリティ対策」「優れたネットワーク環境」の3点を挙げている。
施設の信頼性と立地に関して、新データセンターは同社のデータセンターサービスブランドである「Nexcenter」が独自に定める300項目以上のグローバル統一設備・運用基準に準拠し、将来の環境変化やユーザー企業の拡張需要へ柔軟に対応するという。
データセンター内の電力設備、空調・セキュリティ用電源、通信設備は、すべて冗長化しており、24時間365日にわたり、信頼性を求めるユーザー企業の要求に応える安全な環境を安定的に提供するとしている。
また、アムステルダム地域は河川や運河などの水路が発達していることから、水害防止のため防水堤や排水溝を完備。水害発生リスクが1万年に1度と想定している安全な場所への立地に加え、建物地下部分を完全防水構造にすることで、重要設備への浸水を防ぐという。
オペレーションとセキュリティ対策については、自社スタッフが24時間365日、重要インフラの監視やセキュリティプロセスをダブルチェックするなど、リスクマネジメントを徹底し、標準化したオペレーションプロセスにより、ユーザー企業のシステムを安全に守るとしている。
また、サーバルームなど重要施設への入室は、多段階の非接触ICカードによる入室制限を基本としており、生体認証装置の設置運用など高度なセキュリティ対策を講じるカスタマイズも可能としている。
さらに、建物内外の監視カメラに加え、建物周辺の防犯センサー、車両進入路への侵入防止ゲートの設置など、充実した不正侵入防止策で万全のセキュリティを確保するという。
ネットワーク環境に関しては、データセンター建物には複数の主要通信事業者の通信回線を異経路で引き込む。各通信事業者の回線を相互接続するミートミールームやサーバルームへの配管、ネットワークラックへの配線は、すべて二重化するという。
ユーザー企業の要望に応じて、最高100Gbpsのインターネット回線や豊富なネットワークをキャリアニュートラルで利用できると共に、世界中のNTT Comデータセンターやクラウドサービスを組み合わせたシームレスICT環境を構築できるとしている。