NECは3月28日、情報通信研究機構(NICT)と共同で、AIを活用してネットワークを流れるトラフィックの特徴からサービスを自動的に分類する実証実験を今年2月に実施し、成功したことを発表した。
同実験は、NICTの有する研究・開発用ネットワーク(テストベッド)JGNおよびRISE、並びにネットワークパケットブローカーに加え、NECの「Context-aware Service Controller」を活用している。
NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つである、ディープラーニング(深層学習)技術を搭載したソフトウェア「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」の活用により、トラフィックの時系列データから特徴を抽出し、サービスごとに自動的に分類するとともに、ネットワークの利用状況を可視化する。これにより、従来はサービスを分類するためにネットワーク運用者が行っていた事前の設定作業を軽減することが可能になるという。
実験では、沖縄-大阪、沖縄-札幌、沖縄-東京間における沖縄プロ野球キャンプの放送用映像データ、IPカメラからの映像データ、生活トラフィック(WEBブラウジングなど)、計3つの異なるサービスのトラフィックをContext-aware Service Controllerに入力し、それぞれのトラフィックの特徴を学習。その後、各拠点からのトラフィックを学習モデルに入力し、その特徴からどのサービスかを自動的に分類することに成功した。実験の結果により、トラフィックの特徴からサービスを自動で分類し、利用状況を可視化した上で、ネットワークリソースを各サービスに合わせて最適に割り当てることが可能になるという。
NECは、実験での結果を活かし、Context-aware Service Controllerやネットワーク仮想化ソリューションなど様々な通信事業者向けソリューションを国内外に拡販していくことで、SDN/NFV(ネットワーク機能の仮想化)適用を推進していく。
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