日立製作所(日立)は27日、IoT技術を活用し、建設現場において作業者や建設機材の位置・動態情報や稼働状況などをリアルタイムに見える化し、建設現場の生産性や安全性の向上を実現するシステムを開発したことを発表した。
近年、デジタライゼーションの進展により、あらゆる分野においてIoTやデジタル技術の活用が進む一方で、建設業界においては、建設現場における生産性の向上や労働時間削減、週休二日の推進といった働き方改革の実現に向けた動きが活発になっている。
このたび日立が新たに開発したのは、専用端末を用いることで、作業者や建設機材の状況を把握し、建設現場の生産性・安全性の向上を実現するシステム。同社開発による専用端末とクリーンビーコン、GPSを用いて、屋内・屋外問わずシームレスに作業者や建設機材の位置情報をリアルタイムに把握することで、作業員の余剰・不足の検知や人員の適正配置を可能にし、生産性の向上に貢献する。
専用端末を用いることで、携帯電話などのスマートデバイスの導入が不要で、低コストでの導入が可能であるのに加え、GPSを活用するために携帯電話の電波状況に左右されることなく、屋内・屋外を問わずリアルタイムな位置情報の把握が可能。通信には920MHz帯を使用し、電波障害に強い通信機能を提供する。
また、端末に内蔵した3軸加速度センサと気圧センサにより、作業員の転倒、落下などの危険動作や熱中症環境、立ち入り禁止区域などへの進入、建設機材の稼働・停止を迅速に察知し、安全性を向上させる。危険行動を察知した場合は警報を発し、迅速な対応が可能となる。
日立は今後、同システムの現場実証を行い、2018年度上期中の商用化を目指すという。