街づくりや店づくりの総合展として3月6日から9日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された「日経メッセ」。安全・安心な街の実現するために必要なセキュリティやバリアフリーといったソリューションが多数展示されていた「SECURITY SHOW」の他にも、店舗そのものを形作る際に参考となるアイディアや施策が展示されている「建築・建材展」や店舗内の照明設計に役立つヒントが満載の「ライティング・フェア」など、総合展の名に恥じない数多くの展示会が開催されていた。本稿では、今後より一層の人口減少や少子高齢化、働き手の不足といった社会問題の解決に繋がる糸口が多数展示されていた「リテールテックJAPAN」会場より、注目のソリューションを展示していたブースをピックアップしてお伝えしていこう。
本稿でピックアップするのは、ひとつのデバイスですべてのキャッシュレス決済が行えるソリューションを展示していたNAYAXブースだ。2017年6月に発表された内閣官房日本経済再生総合事務局の「未来投資戦略2017 Society 5.0 の実現に向けた改革」でも記されているとおり、日本国内におけるキャッシュレス決済の比率は他の先進国と比較して著しく低い現状がある。読者の皆さまも、例えばクレジットカードが使用できない店舗だった、少額の決済でクレジットカードの使用を渋られたといった経験がお有りかと思うが、現在の日本ではまだまだ現金での決済が主流だと言わざるを得ない。昨今、FinTech等の技術革新によってキャッシュレス化が進んできてはいるものの、お隣中国の驚異的な革新スピードには及んでいない。
NAYAXのキャッシュレス決済ソリューションは、ターゲットに自動販売機を据えており、例え少額であってもクレジットカードを利用して商品を購入することが可能となる。SuicaやPASMOといった交通系ICカードによる自動販売機のキャッシュレス化が進んできているなか、クレジットカードが使用できることにより一層のキャッシュレス化を推し進めることが可能となる。そして、一般ユーザーにおいても複数の決済手段のなかから自身に合った最適なものを選択できる幅が広がるほか、自動販売機設置者にとっても機会損失することなく商売の拡大に繋がる効果に期待が持てる。
ソリューションのキモとなるのが、後付けも可能なボックス型のデバイスだ。デビットカードやクレジットカード、モバイル決済やプリペイドカードやクローズド環境での決済と幅広い決済方法が選択できるキャッシュレス決済機能、Visa PayWaveやMasterCard PayPass および EMVCo各種認定取得済なテレメトリソリューション、現場に足を運ぶ必要なくスムーズに自動販売機をモニタリング可能な管理ツールが一体化されており、容易に導入することが可能なのが魅力的だ。
NAYAXブースでは、街でよく見掛ける自動販売機に実際にキャッシュレス決済デバイスが取り付けられたものや、ダーツマシンに組み込まれたものなど幅広いジャンルでのデモンストレーションが展開されていた。
現金や小銭が消費者の手元にいつもあるとは限らない。「そういえば喉が渇いたな」と顧客の購買意欲の高まりを“現金のみ”といった決済手段で損なうのではなく、幅広い決済手段を提案することでチャンスを逃さない。キャッシュレス化促進はもちろんのこと、顧客に利便性を提供することができるNAYAXのこのキャッシュレス決済ソリューション、今後自動販売機の決済手段として定着することを願ってやまない。