街を歩いていると、店舗や建物の入口に貼られた赤を基調としたSECOMのステッカーを目にしない日はない。警備業界最大手のセコムも、3月6日から9日まで開催されていた日経メッセ「SECURITY SHOW」に出展していた。
セコムブースでまず眼を惹いたのは、3月5日に報道発表のあった「セコムロボットX2/X3」だった。ちょっと大きめなカートを思い起こさせる「セコムロボットX2」は、屋内外において自律走行が可能となっているほか、昼夜を問わず空港や駅といった場所において障害物を回避しながら巡回監視を行うことができる。また、上部に取り付けられたアームに内蔵された赤外線センサや熱画像センサ、金属探知機よって、巡回中に発見した不審物やゴミ箱の内部等を点検することも可能だという。
また、本田技術研究所とのコラボレーションによって誕生した「セコムロボットX3」は、ホンダロボティクスの「UNI-CUB」を想起させるスタイリングそのままに、人混みのなかでも安全に走行することが可能なほか、前面に配されたモニターや床面投影可能なプロジェクターにより道案内や迷子の捜索といったコミュニケーション機能も有しているのが特徴的だ。また、本体背面には自動体外式除細動器(AED/Automated External Defibrillator)を装備しており、AEDの操作手順をプロジェクターで示しながら周囲の人々に人命救助に当たってもらう、ということも視野に入れ人命救助に貢献するという。筆者は運良く「セコムロボットX3」のプレゼンテーションを見ることができ、一見不安定そうな造形でありながら絶妙なバランスで前後左右、縦横無尽に動く様を確認することができた。
また、世界でその利活用の波が押し寄せているウェアラブル端末の展示も行われていた。状況をつぶさに把握することができるよう、警備員の胸部にウェアラブルカメラを装着する器具や、一歩進んで小型プロジェクターを内蔵し、例えば館内の道案内等を誰もが行えるよう工夫された装備品も展示されており来場者の注目を集めていた。
その他、スマートウォッチによって日頃の健康管理はもちろん、もしもの場合の緊急対応までをカバーした「セコム・マイドクター W(ウォッチ)」や、ホームセキュリティと連携する宅配ボックス「セコムあんしん宅配ボックス」、24時間365日の監視体制はもちろん有事の際の初動対応を行う「セコムのサイバー攻撃対策ソリューション」なども出展されており、来場者から高い関心を集めていた。なかでも、サイバーセキュリティソリューションは、事前の備えから復旧・対策まで一気通貫で支援してくれるほか、場合によっては駆け付けによる調査・対処はもちろん再発防止策の立案に欠かせないログ分析といった作業に至るまでカバーしてくれるという。
現実世界のセキュリティはもちろん、より身近な健康や安心・安全を与えてくれるソリューションに加え、昨今気を抜くことのできない企業内のITセキュリティまで、幅広い分野における安心を様々なITを駆使して提供するセコム。今後、どのようなカタチで我々の安心・安全を守ってくれるのか、その動向から目が離せそうにない。