NTTドコモは3月19日、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室、東京大学人工物工学研究センターと、日常生活でスマートフォンを使う中で、自身のストレス状態を推定できる技術を共同で開発したと発表した。
新技術は、慶應義塾大学のストレス状態における行動特性やストレス状態計測に関する精神医学・心理学の知見、東京大学の行動認識に関するセンサーデータ処理の知見、ドコモのビッグデータ解析技術やAI(人工知能)技術を組み合わせて開発された。
今回、スマートフォン利用に伴う各種データと心拍データを同一利用者から取得し、AIでストレスを推定するモデルを構築した。
具体的には、スマートフォンから得られる加速度などのセンサーデータ、位置情報、画面のON/OFFなどの端末の利用状況を示すデータを利用し、移動パターンや歩行・静止などの身体的行動、電話回数などの他者との交流度合いなどストレス時に現れる特徴的な行動を約130種類の特徴として数値化。
こうした約130種類の行動特徴の数値と、心拍データに基づいて計測したストレス状態(LF/HF)との関係性をAIで学習し、ストレス推定モデルを構築する。構築したストレス推定モデルの正確性を確認するため、生体情報とストレス推定値を比較し評価する。
新技術により、利用者のストレス状態を推定し、定期的にフィードバックすることで、ストレスマネジメントの意識を高め、心身を健康な状態にする0次予防をサポートすることが可能となるという。
3者は現在、同技術の汎用化を検討しており、こころのセルフケアを目的としたアプリケーションの早期実用化を目指している。