半導体製造装置・材料分野の国際的な業界団体である国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は3月12日(米国時間)、半導体前工程ファブの装置投資額が、2019年も前年比5%増となるとの予測を示し、この結果、4年連続の成長を遂げる見通しとなったことを明らかにした。2018年および2019年の成長の背景には、中国の旺盛な設備投資への意欲があるとしている。SEMIによれば、前工程への装置投資の3年連続成長は1990年代中期以降ではじめてになるという。
2019年に世界最大の半導体投資国となる中国
SEMIによると、半導体売上高トップのSamsung Electronicsの2018年および2019年の前工程の製造装置向け投資額は2017年から減額されるものの、両年にわたって首位を維持すると見られる。また、中国の前工程向け製造装置投資額は、外資系企業および中国系企業が進めるファブ建設計画により、2018年で前年比57%増、2019年には同60%増と、大きく伸びると見られており、これにより2019年には中国は、韓国を抜いて世界最大の半導体前工程に対する投資地域になることが予測されるという。
中国では2017年に26棟の量産対応可能なファブの建設が着工しており、その装置導入が2018年から2019年にかけて行われる見通しだ。また、現在の中国の製造装置に対する投資の大半は外資系企業が占めているが、中国系企業の投資額の全体に占める割合が、2017年の33%から2019年には45%へと上昇するとSEMIでは予想している。
設備投資のけん引役はNAND、DRAM、ファウンドリ
製品別の設備投資額を見ると、ドライバ役となっている3D NANDが2018年も同3%増の160億ドル、2019年も同3%増の170億ドルと予想されている。また、DRAMは2018年は同26%増の140億ドルと伸びが予想されている一方で、2019年は同14%減の120億ドルとなることが予測されている。そしてファウンドリは、7nmプロセスへの対応および生産能力拡大に向けて、2018年は同2%増の170億ドル、2019年は同26%増の220億ドルを投資するとSEMIは見ている。