日立ソリューションズは、米国Enlighted, Inc.(以下、エンライテッド社)のIoTソリューションについて販売代理店契約を締結し、4月2日から販売を開始すると発表した。同ソリューションにより、施設・建物内における人の位置や移動、施設の状態を把握し、生産性向上や新サービスの創出を支援する。
同ソリューションのIoTセンサは、天井や机の下などに設置され、センサのみで人感(赤外線)・温度・照度をセンシングするもの。昨今、業務や施設利用の効率化を目的に、施設の使われ方や人・物の動きをIoTセンサで把握し、分析する取り組みが増えているが、用途ごとに異なるセンサを使い、データをそれぞれに管理する必要があるなど、利便性やコスト面で課題が出ている。そこで同社は、ひとつで複数の用途をセンシングできるセンサを利用し、収集したさまざまなセンサ情報を一元管理・可視化できるエンライテッド社のIoTソリューションを提供するということだ。
同ソリューションでは、天井や机の下などに取り付けることで、さまざまなデータを収集できるIoTセンサが提供される。同センサは、センサ間でメッシュネットワークを構築するため、データ通信用の配線工事が不要で、各種設定もブラウザから直接編集が可能となっている。また、BLE(Bluetooth Low Energy)の送受信にも対応しており、BLEビーコンやスマートフォンを用いて人・物の位置や動きをリアルタイムで可視化できる。これにより、不特定多数の人が利用する施設で空間の利用状況を把握したり、BLEタグを持つスタッフの動きと連携したサービスを提供したり、ひとつのセンサでBLEビーコンを持つ人と持たない人の両方に対応したサービスを構築することができるという。さらに、クラウドサービスでは、複数の施設情報を集約してさまざまな観点から分析するダッシュボードが提供され、全体最適化の可能性や全体的な傾向を可視化することができるということだ。
そのほか、同社はユーザーの目的に応じて収集したデータを分析し、高度に活用するための個別アプリケーションの開発までをワンストップで提供する。企業はこれにより、働き方改革やデジタルマーケティングの加速、スマートビルの実現などによる、生産性の向上や新サービスの創出が可能となるという。提供価格は、広さ200坪で人員50人の場合初期導入費が200万円~、サービス費が月額10万円~となっている(いずれも税別)。なお、センサ・人員数、構成により価格は変動し、個別のアプリケーションの開発は個別見積もりが必要となる。