IDC Japanは3月15日、2017年第4四半期(10月~12月)および2017年通年(1月~12月)のウェアラブルデバイスの世界および国内における出荷台数を発表した。
世界のウェアラブルデバイス市場
IDCが発行する「Worldwide Quarterly Wearable Device Tracker」のデータに基づくと、2017年第4四半期の世界のウェアラブルデバイス出荷台数は、前年同期比7.7%増の3,795万台となった。
ベーシックウェアラブル(サードパーティー製アプリをインストールできないもの)が前年同期比6.0%減と前四半期からの前年同期比割れが続く一方、Apple WatchやAndroid Wear などを搭載するスマートウェアラブルデバイスが前年同期比46.8%増となり、その結果アップルがXiaomiやFitbitを上回り、同四半期では1位となった。また、2017年通年での合計出荷台数は1億1,539万台となり前年比10.3%の成長だった。
「2017年の対前年成長率は10.3%だが、これは2016年の同27.3%から著しく低下している」と米国IDCのウェアラブルデバイスチーム リサーチマネージャーのレイモン・リャマス氏は述べており、これに続けて、「成長率の鈍化は市場に対する関心が薄れてきたためではなく、むしろその逆というべきだろう。古いラインアップに頼っていた数多くのベンダーが市場から撤退した一方で、多くのスタートアップ企業を含む、市場でなおも活動を続けるベンダーはラインアップを新たな製品で置き換えただけではなく、デバイスや機能、そしてサービスを統合した形のウェアラブルデバイスを人々の生活に投入している」と述べている。
また、米国IDC Mobile Device Tracker シニアリサーチアナリストのジテシュ・ウブラニ氏は「個々の製品の価格は徐々に下がっているが、消費者の好みはより洗練されたデバイス、より知名度の高いブランドにシフトしている。これはウェアラブル市場の製品平均単価が2016年以来高い上昇を続けていることからも裏付けられることである。追加のアプリやサービスを販売するという可能性を得ることで、ウェアラブルデバイスの市場はブランドホルダーやサービスプロバイダーにとってますます有利な市場になっていくだろう」と述べている。
日本のウェアラブルデバイス市場
Worldwide Quarterly Wearable Device Trackerでは、日本国内のウェアラブルデバイス出荷台数についても公表しており、同Trackerの2017年第4四半期データによると、日本国内のウェアラブルデバイス出荷台数は合計で24万2千台となり、前年同期比3.8%増となった。日本国内での出荷が前年同期比で増加に転じたのは、2016年第1四半期以来のこと。
「減少が続いていたリストバンド型に代わって腕時計型がウェアラブル市場の主役となる構図が安定すると同時に、リストバンド型も法人向けへの市場開拓が進んだことで、市場は久しぶりのプラスに転じた」とIDC Japan PC, 携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの菅原啓氏はコメントしており、さらに「ただし、市場の出荷動向は上位数社が握る状況に大きな変化はなく、特に腕時計型で強いブランド力を持つ時計メーカーの積極的参入など、市場の活性化が望まれる」と述べている。