金沢工業大学は、未来の新技術や新たな価値を創造する拠点として「Challenge Lab」を扇が丘キャンパスに開設したと発表した。同施設では「クラスター研究室」、「科学技術に関する偉人たちの初版本から学問の本質を追究」、「AIラボの活動拠点」を3つの柱として活動が行われる。
同施設は、分野を超えて人と知識がつながり、未来の社会に必要とされる新しい技術や価値を創出する場として開設されたもの。2階建ての館内は、木質系の床と温かみのある照明で、学問の本質を追究できる落ち着いたアカデミックな雰囲気を醸し出している。
同施設では、明るい未来を拓く社会性のある課題に学科や研究室の枠を超えて学生がプロジェクトを組み、卒業研究や修士研究として取り組む「クラスター研究室」がここを拠点として活動を行う。研究成果はラボ内に設置された3Dプリンタやカッティングマシンなどの加工設備を活用して具体化し、社会実装を目指す中で研究を深めていくという。
また、金沢工業大学が所蔵する科学技術に関する初版本から学問の本質を学び、これまでにない科学技術の探究も2018年度から実施される予定となっている。さらに「AIラボ」が同施設内に設置され、全学科の学生がAIを学べる教育コンテンツの開発に取り組むとともに、実社会が抱える課題解決のためにAI技術を適用する研究や、企業等との共同研究を推進するということだ。
現在、クラスター研究室には「初心者が楽しめるチェアスキーの設計と開発」、「スマートファクトリー:椅子再生工場を支える技術の提案と空間設計」、「石橋の科学的解明と石文化の継承方策の提案」という3つのプロジェクトが活動している。同大学では、「誰一人取り残さない」を理念に国連全加盟国が合意した17の持続可能な開発目標「SDGs」に取り組んでおり、例えばチェアスキーの設計・開発はSDGsの「10.人や国の不平等をなくそう」にあたる。同大学では今後、こうしたSDGs関連のプロジェクトを積極的に推進する考えということだ。