電通は、同社においてVR領域のビジネス化を推進するグループ横断組織「Dentsu VR Plus」と、先端領域のプロトタイピングと実装を行う「Future Tech Business Team」の2つの専門チームは、アタリと共同で、VRを用いた発想支援ツール「COMOLU(コモル)」を開発したことを発表した。

COMOLUは、ヘッドマウントディスプレー(HMD)とコントローラーを用いて、集めた画像・動画を3D空間に自由に配置し、閲覧・整理できる新しい発想支援・共有ツール。

収集した画像や動画を読み込んでVR空間内に一覧表示でき、数百枚もの画像情報を自由に配置してアイデアを視覚的に整理できる。また、眺めているうちに何か思いついたときは、付箋にメモして追加することも可能となっている。

また、音声認識およびバーチャルキーボードを用いて検索ワードを指定すると、画像検索で好みの画像をVR空間上に配置できるほか、最新ニュースをVR空間内で閲覧することで、セレンディピティーを生み出し、新しいアイデア発想を加速させる。さらに、気になる画像や付箋を1枚のPDFにまとめて保存することで、仮想空間から現実世界へのアウトプットが容易になる。

これらの機能を活用することで、気分転換のために場所を変えたり、文言や画像を壁に張り出したりといった、これまでアイデアを生み出すために実空間で行われていた行動を、VR空間に移行することが可能となる。デスクトップ内や会議室内といった物理的制約のない新しいオフィス環境が生み出されるため、チーム内でのアイデア発想・共有が円滑に行えることが期待できる。

同ツールは、Microsoftが提供する「Windows Mixed Realityプラットフォーム」向けに制作されており、同社は今後、Microsoft Storeを通じてコンシューマー版の提供を行う。価格は、ベーシック機能は無料、一部機能の利用は月額360円。また、法人顧客向けにはビジネス版の提供も行うということだ。

なお、より深くCOMOLU空間に没入できるようにするため、軽く通気性の良い素材でできたフードをかぶり、HMDを装着した際に気になる口元まで覆うことで、情報空間での“コモる体験”を拡張できる「COMOLU WEAR(コモルウェア)」も開発している。 同ウェアは、ユニセックスウェア・レーベル HATRAのデザイナー長見 佳祐氏とCOMOLUチームが共同開発している。