国立科学博物館は3月13日、約3800年前の縄文時代人の全ゲノム解析を行い、現代人と同じレベルで解析されたDNA情報から、顔の表現型に関係する遺伝子情報に基づいた縄文時代人女性の復顔像の作成に成功したと発表した。

同成果は、国立科学博物館と金沢大学、山梨大学、国立遺伝学研究所の共同研究グループによるもの。詳細は同館の特別展「人体―神秘への挑戦―」にて一般公開される。

過去に生きていた人の風貌を再現するため、これまでは発掘された人骨をベースとし、これに現代人の特徴を付け加える方法がとられてきた。この方法では、昔生きていた人の骨に現代人の平均的な顔を張り付けるようなもので、その人物の本当の顔つきを再現できているかは不明だった。

今回の研究では、約3800年前の縄文時代人骨「船泊23号」の全ゲノム配列を高精度で決定し、顔の表現型に関する遺伝子の解析に成功した。そこで、その人物が持つ顔の遺伝子情報から復顔像を作成し、復顔像が完成したとしている。

なお、特別展は3月13日~6月17日まで一般公開されるとのこと。