ヤフーの子会社で新規事業開拓を行うZコーポレーションは3月8日、SBイノベンチャーの子会社であるOpenStreetの第三者割当増資を引き受け、同社への資本参加を決定したと発表した。これにより、ヤフーグループがシェアサイクル領域に新規参入する。
Zコーポレーションは、ヤフーの事業とは異なる領域へ挑戦するために設立。ヤフーグループの「Yahoo! JAPAN ID」「Yahoo!ウォレット」「Yahoo! MAP」「Yahoo!カーナビ」「Yahoo!乗換案内」など各サービスとの連携や顧客基盤の利用により、HELLO CYCLINGの事業拡大を加速させるとともに、一層の利便性向上に取り組むとしている。
OpenStreetは「短距離交通インフラの構築」をミッションとして、事業者や自治体を対象にシェアサイクルプラットフォームである「HELLO CYCLING」を2016年11月から提供している。事業者や自治体は、GPSと通信機能を搭載した「スマートロック」と専用の操作パネルを自転車に取り付けることで、HELLO CYCLINGによりシェアサイクルサービスを運営できる。
また、シェアサイクルサービスの利用者は、異なる事業者や自治体が展開する複数のシェアサイクルサービスを、1つのIDで利用が可能。同サービスの利用者は、自転車を借用・返却する「ステーション」の検索から決済までの一連の手続きを、スマートフォンやPCで行うほか、ステーションであればどこでも自転車の乗り捨てできる。
現在、HELLO CYCLINGを利用するシェアサイクルサービスは栃木県、埼玉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、兵庫県、香川県など約40地区おいて展開。
小売業者や鉄道事業者、コインパーキング運営事業者、マンションデベロッパー、観光協会など多様な業種の企業や自治体などと連携し、各地域の特性に合わせた短距離交通インフラを提供している。
さらに、APAMANグループによるHELLO CYCLINGの導入も決定している。「ecobike」のブランド名で2018年5月から福岡県で本格的にサービスを開始し、順次全国で展開する予定だ。
今回の第三者割当増資について、出資完了は4月上旬を予定しており、Zコーポレーションが株式の過半の取得を予定している。