レノボ・エンタープライズ・ソリューションズは、高密度水冷サーバー「Lenovo ThinkSystem SD650」を発表した。同時に、高密度GPUサーバー「Lenovo ThinkSystem SD530」「Lenovo ThinkSystem SR650」において、深層学習に適した「NVIDIA Tesla V100」のサポートを開始したことも発表した。

最大90%までの水冷効率を実現

  • レノボの高密度水冷サーバ「Lenovo ThinkSystem SD650」

    高密度水冷サーバー「Lenovo ThinkSystem SD650」の外観

Lenovo ThinkSystem SD650は、直冷方式のアーキテクチャが使用されている高密度水冷サーバー。2012年より水冷サーバーの研究開発および製品化を行ってきた同社の前世代までの製品と比較し、過去最高の冷却効率を提供するといい、最大50℃までの温水冷却、最大90% の冷却効率を実現している。

さらに、同製品は空冷サーバーと比べ最大10% のパフォーマンスアップを実現するほか、データセンタ全体の冷却に関わるエネルギーコストを最大40% 削減することができるなど、性能やコストの面においても優れた製品となっている。

データセンタ設備の観点でも、冷却効率を高め、サーバーを高密度で実装することが可能となることにより、床面積を削減できるため、学術研究、ライフサイエンス、エンジニアリングなどのHPCの分野や、大規模クラウドを展開しているユーザーに適する製品であるとしている。

AIコンピューティングをさらに加速

また、2Uで4GPUを搭載可能な高密度サーバー「Lenovo ThinkSystem SD530」および2Uラック型サーバー「Lenovo ThinkSystem SR650」において、深層学習に適した「NVIDIA Tesla V100」のサポートが新たに開始された。

  • レノボのNVIDIA Tesla V100のサポートを開始

    2Uで4GPUを搭載可能な高密度サーバー「Lenovo ThinkSystem SD530」

これにより、Lenovo ThinkSystem SD530においては、全世代の「P100」に比べ、深層学習にかかる時間を短縮することが可能となり、AIワークロードの推論においてもCPUのみを使用したサーバーよりも約30倍高い性能を実現する。

一方のLenovo ThinkSystem SR650は、1サーバーで2枚のTesla V100が搭載可能となる。またレノボは、AIやHPCにおいてGPUコンピューティングの活用をこれから始めるユーザーに向け、GPUコンピューティングスターターパックとして「ThinkSystem SR650 GPU Readyモデル」を発表した。

このモデルはGPUを活用する際に使われる高性能CPUと大容量電源をあらかじめ搭載し、用途に応じて6種類のGPUから選んで搭載することが可能であるため、AIの活用を検討している企業の課題解決に貢献するものになるとしている。

販売価格は以下の通り。

・「Lenovo ThinkSystem SD650」参考構成価格:3576万円(税別) (1エンクロージャー 12ノード)

・「Lenovo ThinkSystem SD530」参考構成価格:701.4万円(税別) (1サーバーあたり、V100アダプター×2搭載)

・「Lenovo ThinkSystem SR650」参考構成価格:224.8万円(税別) (GPU Ready モデル、1サーバーあたり、GPUはオプション選択)